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「旧鼠、あほな事はやめるんや!!えぇかげんにしい!!」
ゆらの胸倉を掴もうとし鼠にAが靴をぶつけた。
『ゆらちゃんに触るな!』
「てめぇ!!」
目的を変えてAの胸倉を掴んだ。
『嫌!』
手を振りほどこうとした時に服が破れた。
『!!』
「夜桜さん!!」
「A!!」
「助けたくても式神持って無いからな。テメェもただの女だよ。」
旧鼠は時計を見た。
「さて、そろそろ時間だな。ま、来ないなら来ないで俺は構わんがな。知ってるか?人間の血はなぁ、夜明け前の血が一番ドロッとしててうめぇのよ。ちょうど今くらいのなぁ…?」
鼠共が籠の中に入って来た。
「いやっ。」
『カナ!ゆらちゃん!こっち!』
Aはまた二人の手を引いて後ろに隠した。
『あ、妖さん……』
Aは涙を溜めて目を瞑った。
「いやぁああああ…」
ゆらも悲鳴を上げた。
すると何か白い靄の様なものが流れ込んで来た。
大勢の妖怪がこっちに向かって来るのが分かる。
「(百鬼夜行?まさか。じゃあ、あの男が、妖怪の総大将?)」
『(妖さんに似てる……もしかして…)リクオ君?』
二人に聞こえない声でAは呟いた。
「待たせたな。鼠共。」
「何者だ!?てめぇ。」
「本家の奴らだな……」
「三代目はどうした!?」
「いや、あんな餓鬼はどうでもいい。回状は!?回状を見せろ!!ちゃんと廻したんだろうな!!」
「奴が書いたのなら破いちまったよ。」
「んだと!?」
鼠共がリクオに注目している間に首無がA達を助けた。
「ならば約束通り殺す迄よ。」
「捕まって。(この子、奥方A様に瓜二つ!)」
「どうする?夜の帝王。
「舐めやがって。テメェら皆殺しだ!!」
妖怪同士の戦が始まってA達は見ているだけだった。
リクオの技に旧鼠は炎に燃えた。
全てが終わった後、首無が羽織を貸してくれた。
『有り難う御座います。』
「お礼は要りません。(見れば見るほどよく似ている。)」
『ゆらちゃん、カナ。私、こっちだから。此処で。学校でね。』
Aは走って行った。
その先に百鬼夜行を見つけた。
『待って!!』
「どうかしたか?Aちゃん。」
『リクオ君だよね?』
「どうして?」
『だって、お祖父さんにもリクオ君のお父さんにもよく似てるから。』
「そっか。」
『今日は助けてくれて有り難う御座いました。あ、妖さんとリクオ君のお父さんが来る。』
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時