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向き合っているとゆらの雰囲気が少しだけ変わった。
「鼠風情が粋がるんちゃうわ。後ろに下がって家長さん、夜桜さん。」
ゆらは自分の財布から式神を出した。
ゆらは狼の式神を使って鼠の妖怪を退治して行った。
Aはカナを抱き寄せた。
まだ何も起きていないのにどうしてだろうと思っていると自分とAが鼠に囲まれていた。
Aとカナを人質にされてゆらは仕方が無く式神を戻した。
その瞬間ゆらが殴られそうになった時Aがゆらを引っ張った。
「チッ。邪魔すんじゃねぇよ。」
Aが先に殴られ、気絶した。
「A!?」
「夜桜さん!?」
「お前ら、丁重に扱えよ。こいつらは大事な餌だからな。」
A達を他の鼠達に運ばれた後、気を失っている三人をリクオに見せた。
リクオは本家に戻り自分が三代目を継がないと回状を廻す様に烏天狗と言い争っていた。
その話を聞いたぬらりひょんと鯉伴が回状を破り捨てた。
「あ!!何すんだ祖父ちゃん!!」
「其れはこっちのセリフじゃ、この馬鹿孫め!!昼間は陰陽師を連れて来るし、ワシら妖怪を破滅させる気か!!」
「仕方ないだろ!!妖怪が“悪い”からいけないんじゃないか!!」
リクオとぬらりひょんが喧嘩をしている時に鯉伴は黙って話を聞いていた。
「しかもあんな奴らがうちの組に居るなんて祖父ちゃんもお父さんも何をやってんだよ!!だから妖怪一家なんて嫌なんだ!!ほんと、最低だよ!!」
「其れは違いますぜ!!若!!」
「誰?」
「奴良組系「化猫組」当主良太猫で御座います。実は、本当に一番街を総大将から預かってんのはワシらなんですわ、リクオ様。」
良太猫はリクオに話し掛けた。
「ワシらは「化猫組」言いまして。ぬらりひょん様が浮世絵長に居を構える前からあの街で博徒として悪行を積んで来た古い妖怪です。」
と良太猫は自分達が一番街の納めていたと話し出した。
「あの街は今、ドブネズミに支配されちまったんですよ。奴らは現れたと思ったら瞬く間にその勢いで街を変えちまった。見た目華やかできらびやかな世界は小娘を誘い込み奴らは欲望のままに貪り食ってるんだ!!」
必死に説明をする良太猫にリクオは戸惑った。
「そんなでも、僕に何が出来るって言うんだ!!僕は人間なんだぞ!?だから、回状を廻して友達を助ける事しか出来ないんだ!!」
「奴らの言う事を信じちゃ駄目だ!!奴らは自分らの欲望でしか考えてねぇ奴らだ!!殺されるぜ!!」
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作者名:彩夏 | 作成日時:2023年8月27日 23時