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『都合が良過ぎない。』
「イソギンチャクが頭についてない奴にこの苦しみは分からねぇんだゾ！」
「そもそもテストで楽しようとしたのが悪いんだろうが。」
「それについては十分反省したってば〜。」
「ああ。もう二度としない。たとえ赤点になったとしても、結果を受け入れる……っ！」
「そこはもう赤点取らない様努力するって言えよ。」
『ジャックの言う通りね。勉強なら私やユウが教えてあげるから。』
「で、どうするんだ、A、ユウ。あいつ等の口車に乗るのか？」
「これはチャンスかもしれない。」
『確かにチャンスかもね。向こうが出した条件が何かで変わるけどね。』
「俺様、今初めてお前らの事寮長と監督生って認めてやってもいいって思ったんだゾ！」
「……チッ、仕方ねえ。ユウ、なんか抜けてて危なっかしいからな。Aはしっかりしてるが。俺も付いて行ってやる。」
「ヒュ〜♪ジャック君優しい〜。」
「か、勘違いすんなよ！俺はアズールのやってることが気に入らないだけだ。他人の力でいい点とった奴らに負けるのは癪だからな。」
ギュインギュイン……と音がした。
「と、とか言ってる間に、頭のイソギンチャクが引っ張られるっ！」
「いででで！昼休み迄こき使う気かよ〜！」
「頼んだんだゾ、寮長〜！監督生〜！」
「「「あ゛あ゛ああああ〜〜〜〜〜！！！！」」」
三人はイソギンチャクに引っ張れていった。
「ったく……あいつらはどうしようもねぇな。とにかく、今夜は『モストロ・ラウンジ』に行ってみるか。」
A達は夜九時に『モストロ・ラウンジ』に来た。
「かなり賑わってるね。」
『そうね。ちょっと大人な雰囲気もあるね。』
「こっからはマジで敵の縄張りだ。気を抜くんじゃねえぞ。」
「あー、イルカちゃ〜ん。小エビちゃ〜ん。いらっしゃい〜。それに、ウニちゃんも来たんだ。」
「だからウニじゃねぇっつってんだろ！」
「おや……これはこれは。早速のご来店有り難うございます。ようこそ『モストロ・ラウンジ』へ。当店のご利用は初めてでいらっしゃいますね？」
「昼から思ってたが……あんた、分かってて質問するのが趣味なのか？」
「ふふ、念のためですよ。では、僭越ながら当店をご利用いただくための諸注意を説明させていただきます。『モストロ・ラウンジ』は紳士の社交場。他寮との揉め事は御法度です。此処では、どの寮の生徒でもオクタヴィネルのルールに従って頂きます。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2023年3月13日 2時
