７話（(名前)の過去について） ページ9
「Aはサイドエフェクトで距離は分かんないけど、遠くにいるトリオン兵が見えるから、遠回りして帰ったりして回避してたって聞いてる。でも、Aもボーダーを頼らないって言ってる。理由を聞いても教えてくれなくてさ。」
「Aもサイドエフェクトで逃げてたんだな。でも、オサムはAのオサナナジミ？なんだろ、理由知らないのか？」
「知ってるのは、四年半前の時、Aが一人で家にいてトリオン兵に気づいたけど、三体に囲まれて動けなくなったらしい。でも、旧ボーダーの人が通り掛かって、助けて貰えるって思ったって言ってた。」
「言ってた？助けて貰えなかったのか？」
「Aのサイドエフェクトの力で近くにいるように見えてただけで、遠くにいたんだ。でも、すぐには戦い始めなかったみたい。Aは見えていたから理解してしまった。多少の犠牲者を出して、［自分達はこいつらと戦う力があります。一緒に戦いましょう。］ってボーダーを周りに認めてもらうための行動だと。僕はその時はそう思わなかったけど、今はそうなのかなって思う所も有るけど、僕がそうするべきだと思ってるから、話を聞いても僕はボーダーに入ったんだ。Aは修らしいねって笑ってくれたけど、内心どう思っているかわからないけどね。」
「Aはボーダーの活動あまり良いとは思ってないかもしれないんだな。」
「Aはボーダーからも逃げてるからな。」
「なるほどね。そんでオサムはチカとAの二人を助けたくてボーダーに入ったわけか。」
「別にあいつらを助けたいわけじゃ……。僕は街を守るために……。」
「お前つまんないウソつくねー。ごまかす必要ないだろ。誰かを助けたいってのは立派な理由じゃん。」
「そんな立派な話じゃない。僕がボーダーに入ろうと思ったのは……。何も出来ない自分に腹が立ったからだ。」
「どうやら、チカの計測が済んだようだ。」
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作者名：彩夏 | 作成日時：2021年5月16日 23時
