ラストシーン。4 ページ5
フジSide
フジ「佐野さん、これありがと。」
昨日借りた詩集。僕好みの文章で、1時間程度で読み終わってしまった。
A「……Aでいいよ。フジくんとキヨだけね。」
そう言ってほんの少しだけ口角が上がる。
いつものクールな表情とは違って、とても可愛い。ギャップ萌え的な。
フジ「ひ、A……A、A。」
A「恥ずかしいから、何回も呼ばないでよ。」
フジ「あっ、ごめん！」
無意識に呼んでた。名前で呼ぶのは俺だって恥ずかしい。
実際名前で呼んでのはキヨしかいないらしい。
A「いつも、キヨうるさいでしょ？ごめんね、まあそういう所がキヨのいい所でもあるんだけど。」
楽しそうにキヨの話をする。
そう言えば、キヨとは幼馴染なんだっけ。
A「私、事故で左目失ってんだ。」
フジ「え？」
な、なんでそんな発言をキヨなんか(おい、なんかとはなんだ。by.キヨ)の褒め言葉と一緒にサラリと。
A「だから、幼馴染のキヨにしか心開いてなかったんだけど。……フジくんはなんかキヨと同じ匂いがする。」
フジ「どういうこと？」
A「キヨと同じで、安心出来るというか…信じてもいいかなって。……フジくん、よろしくね。」
こっちを振り向いた時に、少しだけ長い前髪から見えた……
瞳の動かない左目。。。
フジ「……よろしく……。」
その瞳には俺の顔が映るだけだった。
続く (更新停止中)
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作者名：水 野 海 荷 （旧中村） | 作者ホームページ：今はないです。
作成日時：2018年11月3日 3時
