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「 すみません、ホットコーヒーひとつ 」
「 … あっ、わたしも同じので 」
テスト期間、幼馴染の淳太とファミレスで勉強会を開くのが恒例になっていた。
… 勉強会というより、わたしの赤点対策会。
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毎回成績上位者にランクインする淳太と
補習と再試の常連のわたし。
どうして同じ高校に入れたのか
不思議で不思議で仕方ない。
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「 どないしたん、急に。
オマエいつもオレンジジュース頼んでるやん 」
「 … いいでしょ、別に。 そういう気分なの 」
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「 … ふーん、" そういう気分 " ね 」
淳太は鼻で笑って、また目線を参考書に移した。
好きな人の好きなものを
好きになりたいと思う乙女心が
男子には分からないのが憎い。
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私達は" 恋人 " ではない、ただの幼馴染。
昔から花火大会もクリスマスも一緒に過ごしているのに、一度も想いを伝えたことはない。
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… 怖いから。
" 幼馴染 " という居心地のいい関係が
" 恋人" に名前を変えたらどうなるんだろう、と
考えれば考えるほど怖くなる。
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だからたった一言の「 好き 」が言えない。
恋に奥手なわたしを嘲笑うかのように
コーヒーの独特な香りが鼻につん、とくる。
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「 … にがっ 」
そんな気持ちを取り払うように流し込んだコーヒーは、やっぱり苦い。
悪魔の飲み物だ。
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「 ほら、言うたやんか
まだお子ちゃまなんやな、 Aは 」
そうやってからかいながらも
" 砂糖とミルク入れや "と促す淳太はやっぱりずるい。
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淳太はどんどん大人になっていくのに
わたしはずっと子供のまま。
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小さい時からそう、
幾ら頑張ったって彼はずっとずっと先を歩いている。
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… だから、ここで勝負に出ようと思う。
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コーヒーの美味しさに気付くのが先か、
彼がわたしの恋心に気付くのが先か。
「 … あのさ、」
ドキドキ高鳴る胸はコーヒーのせいだろうか。
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「 コーヒーは恋の味 ( 黄 ) 」 Fin.
「 キミのせいで 」 ( 赤緑 )→←「 コーヒーは恋の味 」 ( 黄 )
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ポプ - 初めまして！まよさんの作品を初めて読みました。とてもいいお話で、一時間以上読んでると思いますwこれからも、作品楽しみにしてます！！！！！！！ (2021年8月1日 0時) (
レス) id: 4d91195c8f (このIDを非表示/違反報告)
まよ(プロフ) - foofさん» はじめまして、温かいコメントありがとうございます（ ; ; ）最近コメントがなくて寂しかったので嬉しいです、、！言葉選びには毎回悩んでいるので伝わったみたいでよかったです！これからも読んで頂ければ幸いです。 (2019年4月29日 23時) (レス) id: 9eb75650c5 (このIDを非表示/違反報告)
foof - 世界観が好きです。言葉でそのシーンが気持ちが伝わってきます、素敵です。これからも頑張ってください^ - ^ (2019年4月28日 17時) (レス) id: 944d6f8ddc (このIDを非表示/違反報告)
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