間違っちゃいない Ⅱ (ページ25)

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… ともには、家族が居なかった。

体が弱すぎてずっと病院暮らしやけど、
元気なときは施設にいた、と言っていた。

大人になって、愛する人と結婚して家族になって。
そんな幸せを彼は望んでいたのに。

… 大人になれなかった。

18のとき、ともは天使になった。

俺がそれを見つけた、あめ玉のヒミツを知ったのは
ともの施設の方を手伝って遺品整理をしていた時やった。

ベッドサイドの引き出しに、
小さく折り畳まれたカラフルな紙が入った瓶が入れてあって

よく見るとそれはあのあめ玉の包み紙で。

「 … うわぁ！」

たぶん最後のほう、力が入らんくてフタ閉めれんかったんとちゃうかな

取り出そうとして持ち上げた時、
甘く閉められたフタが開いて
瓶の中身が床にぶちまけられてしまった。

「 … ん？」

" 外に行きたい "

あめ玉の包み紙のひとつが開いて、
中に何か時が書いてあった。

… ともの字や。