短編集 [ 2 ]

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*





二人でリビングに行き、

雅紀さんにアイスを渡してあげた。



まだ寝室にいるらしい広斗の様子を見に行くと、



ソッ と、

おデコにキスをしている所が目に入る。



その光景が微笑ましくて、


少し頬が緩んでいると、




『 ……なんだよ。 』



私に気づき、側へ歩いて来た広斗。



また私を通り過ぎようとしたのを、


腕を掴んで、引き止める。




「 ……私には？ 」



『 は？ 』



「 おかえりのチュー…、 」



『 ………。 』



ほんの数秒、黙った後、

顔に影が掛かり、ぎゅっと目を瞑る。


と、


唇に感じた、感触…、、




「 ……ｯ…？ 」




何かが可笑しい、と思い、

薄ら目を開けると、




指？



私の唇に触れていたのは、 指 だった。



なんだ…。

残念。



そんな私の顔を見て、鼻で笑った広斗は、




『 後でな 』




そう言うと、

私の頭を雑にクシャッと撫でた。




『 いや、お前ら俺の存在忘れてない？ 』




いつもは相手を怯えさせる拳が、


こんなにも優しい…。

こんなにも優しく、私やあの子に触れる。



いつもムスッとした仏頂面だけど、


こんなにも優しい瞳を向ける。



私達を、

優しく強く、深い愛で包み込んでくれる。




「 ……大好き、広斗。 」



『 ……なんだよ、急に。 』



「 フフッ、なんでもないよ 」




広斗は、また私の頭を撫でた。









『 お兄ちゃんを無視するな！ 』









*

天才 #gun→←幸せ #hiroto

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