短編集

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健二郎って、そういう話しないよね。


『 ……え？ん、いや〜 』


チラッて私を見た健二郎を、ジーッと見つめる。




『 ……まぁ、おるけどやな、、 』



渋々って感じでそう言った彼に、

少しテンションが上がる。



「 どんな子なの？会社の子？ 」



『 ……ん〜、お前には言わん…。 』



え、何それ。



「 なんでよ〜！チョットくらい教えてくれても良いじゃん 」


「 会社の子なら協力するしっ！ 」



そう言うと、

なんだか少し真剣な顔をして見つめてきた健二郎は、



『 別に……協力はいらんよ。 』


そう言い、烏龍茶に口を付けた。



『 鈍感な奴やからさ。 』



その子を思ってなのか、

フッと切なく笑った健二郎の顔は、凄く男前で、


なんだか胸がドキッとした。



「 ……健ちゃんも大変だね？ 」


『 せやろ？ 』



『 すぐ近くにおるんやけどな？ 』



頬杖を付きながら私に目線を送る健二郎。



『 どうやったら気づいてくれるんやろか？ 』



とても真剣な顔、、

そっか…。


そんなにその子の事好きなんだね。


「 …きっと、その子も健ちゃんの事好きになるよ。 」

「 健ちゃんなら、絶対大丈夫。 」



応援、してあげたいな…、、

こんなに切なく微笑む彼を。




健二郎と付き合ったら、きっと、

その子はいっぱい愛されるんだろうなぁ。


「 健ちゃんって、彼女の事凄く大切にしてくれそうだよね。 」


『 ん？あ〜、まぁ… 』




『 絶対幸せにはするで？ 』



そう言って男の顔をした健二郎。



健二郎にそれだけ思われてる子って、

どんな子なんだろう。



そう考えながらビールを流し込んだ。






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