短編集

風邪 #gun ページ21

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仕事を無理矢理定時で終わらせ、
バタバタと退社し、


向かうのは彼の家。



お昼休憩のときに届いたLINE。

相手は、登坂さんだった。


メンバーさんから、私にLINEが来るなんて珍しいな、
なんて思いながら内容を見ると、


登坂さん岩ちゃんが倒れた。

登坂さん病院行って、今は家にいるみたい

登坂さん連絡できなさそうだったから、一応報告しとくね。



確かに、朝連絡を送ったのに、
お昼になっても既読にならなくて、

不思議に思ってた。


倒れたって、、

剛典、大丈夫かな…。


早く、彼の傍に……＿



一応、スーパーと薬局に寄り、
必要になるであろう物を購入し、

オートロックを抜け、

合鍵を使って家に入る。


聞こえてきたケホケホっていう咳の音。


寝室に行くと、ベッドに寝ている剛典がいた。



「 ……剛典、、 」


『 …ん、…ｹﾎｯ…A…？ 』


私に気づいて起き上がろうとしたのを止め、

布団を掛け直す。


倒れたって聞いて凄く心配だったけど、

剛典の顔を見れて、少しホッとした。



「 大丈夫…？ 」

……でわ、なさそうだけど、、


熱があるのか、顔も火照ってるし、咳も出てる。


こんなにガッツリ風邪引くなんて、珍しい…。


最近、急に寒くなったもんね…。

仕事も忙しそうだったし、疲れが溜まっちゃったのかも。



『 …移すと悪いから…ｺﾞﾎｯ…帰った方が、、 』


「 大丈夫だよ？ 」


『 ……ん、でも…、 』



中々渋ってる剛典、、

私を気遣ってくるのは嬉しいけど、


少しは自分の体も心配して…？




「 …じゃあ、マスクするからっ、 」

「 ……それでもダメ？ 」


私、彼女なんだよ？

こういう時くらい、甘えて欲しい。



私だって、剛典を支えたい、、




『 ……ん。……分かった、 』







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