短編集

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彼の体から離れ、顔を見ると、


なんとも間抜けな顔をしていて、、


その表情を見て少し安堵し、
つい吹き出しそうになったのを我慢する。



「 壊したって言ったけど、嘘なの…。 」


『 え、壊れてないん？ 』



コクリと頷くと、

ハァ〜！っと大袈裟に息を吐きながら布団に倒れ込んだ。


『 まぢかよ〜！ちょっと焦ったやんけ〜！ 』

『 なに？ドッキリ？ 』


「 ……ごめんね？ 」


『 あー！騙されたー…、、 』



悔しがって項垂れてる健ちゃんを見るのも楽しいけど…、


枕に隠しておいた箱を手に取った。



「 あのね？コレ……。 」

ハイっと健ちゃんに箱を差し出す。



『 ん？……コレって…！ 』


「 うん、健ちゃんが欲しがってたやつ。 」



さっきまでの凹んでた彼は何処へやら。


起き上がって、目をキラキラさせて

嬉しそうに箱を見てる健ちゃんに、

私も笑みが零れた。




『 でも、何で急にプレゼント？浮気でもしたんか？ 』


何言ってんの(笑)

急に真剣な顔で言うもんだから、
つい吹き出してしまった。



「 忘れたの？(笑) 映画、決まったでしょ？そのお祝い。 」



役者としての活動も増えてきて、
活躍している姿を見るのは嬉しい。

そんな中、映画が決まったって聞いて、


何かお祝いしてあげたいな、と思っていた。



忙しい毎日の中、

釣りには良く言ってるから(笑)

釣り用具以外でって考えた時、
これ欲しいって前に言ってたのを思いだした。



少しでも喜んで貰えたら、と思って＿＿＿







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