短編集

present #ym ページ17

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『 ただいま〜………A〜？ 』


帰ってきた健ちゃんの声を聞き、
布団に包まってスタンバイ。


リビングにいない事に気づいたのか、

寝室のドアが開いたのが聞こえる。



さあ、作戦スタートだ。




『 何や、もう寝て、、 』


「 …ｸﾞｽ…ｯ……ｽﾞﾋﾞｯ…… 」



『 …え、A？泣いてんのか？ 』



私の渾身の泣き真似、バレてない。


ベッドが軋む音、

どうやらベッドに腰かけたらしい。



『 A？なんかあったんか？ 』


とても心配そうに話す声に、 少し胸が痛む…。



『 ……どうしたんや…？ 』


「 ……健ちゃん……、、 」


ムクリと起き上がり、座っている彼と対面。


私を見て、

ホッとしたような表情をした後、

私の目元を優しく拭い、心配そうに見つめられ、、


また胸が痛んだ。



私の頭を優しく撫でてくれる彼に、話を切り出す。



「 あのね……？ 」


『 ん？なんや？ 』


「 ……ラジコン、、 」


『 え？ 』





「 健ちゃんのラジコン……壊しちゃった…、 」




嘘です。

なんなら、あの涙、目薬です。




「 …掃除中にね、、上にあったの落としちゃって… 」




もう1度言います、嘘です。




「 ……ごめんなさい、、 」

「 ごめんね健ちゃん……ｯ、 」


顔を覆って、再び渾身の泣き真似。




さあ、来い！！



『 ……そっ、かぁ……… 』



うんうん、どう？怒る？



怒った？





『 ………まぁ、しゃーないな。 』



「 …………へ？ 」







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