【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 陸

二百二十一:上弦の陸9 ページ9

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妓「運がいい以外取り柄がねぇんだろうなあ
可哀想になあ
お前以外の奴は皆もう駄目だろうしなああ

猪は心臓を一突き
黄色い頭は瓦礫に押し潰されて苦しんでるから
死ぬまで放置するぜ
虫みたいにモゾモゾしてみっともねえよなあ
柱も弱かったなあ、威勢がいいだけで
男の方は毒にやられて心臓も止まって
死んじまった、お陀仏だ
女の方はあの方に連れて来いって言われてるから
死んではいないが
片足を失った上に心臓を一突きしたから
すぐに鬼にしなけりゃ毒と出血多量で
死ぬだろうなああ

みっともねぇなあ、みっともねぇなあ
お前ら本当にみっともねぇなあ
特にお前は格別だ
お前の背負ってる箱からはみ出してるのは
血縁だな？わかるぜ鬼になっても血が近いのは
そりゃあ姉か？妹か？」



炭「(なんだ俺を殺さない？なんだ...？
腕が痺れてる、今頚を狙っても斬れない...)
......妹だ」


妓「ひひひっ！！そうかやっぱりそうか
みっともねぇなあ！
お前全然妹守れてねえじゃねぇか！！」

炭「！！」



妓「まあ仕方ねえか
お前は人間、妹は鬼だしなあ
鬼の妹よりも弱いのは当然だが
それにしてもみっともねえ！！
兄貴だったら妹に守られるんじゃなく
守ってやれよなあ、この手で」


ぐいっと右手を捕まれ引っ張られる


そして＿＿




ボキッと鈍い、骨が折れた音が響く


炭「＿＿＿ｯｯ」




妓夫太郎はそんな炭治郎を見下ろしながら
頭を叩いて嘲笑う


妓「なぁオイ、今どんな気持ちだ？
一人だけみっともなく生き残って
頼みの綱の妹は殆ど力を使い果たしてるぜ
なあ虫けら、ボンクラ、のろまの腑抜け
役立たず、何で生まれてきたんだお前は
どうする？弱い弱いボロボロのみっともねえ
人間の体で俺の頚斬ってみろ
さあさあさあ！！」



荒い息を繰り返す

どうしようもない気持ちをぶつけるように
すぐそばにある香り袋に折れてない指で
爪を立てて破く


炭「...」




それを見ていた二人は笑う


堕「ふっ」


妓「ひひひひっ！！そうかそうか
土壇場で心が折れたか、みっともねえなあ
本当にみっともねえ！！
みっともねえが俺は嫌いじゃねえ
俺は惨めでみっともなくて汚いものが
好きだからなあ
お前の額のその汚い傷！
いいなあ愛着がわくなああ

そうだ、お前も鬼になったらどうだ！！
妹のためにも！！
そうだそうだそれがいい鬼になったら
助けてやるよ、仲間だからなあ
そうじゃなきゃあ妹もぶち殺すぞ
他人の妹なんか心底どうだっていいからなあ」

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