二百三十六:返事2 ページ24
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Aは突然手を握られて少し目を見開いて
それから照れくさそうに錆兎を見る
錆「絶対に__とは言えないだろう
だが、この命尽きるまで共にあると誓おう」
『...っ!』
Aの目が見開かれる
その綺麗な青い瞳が錆兎を写す
瞳が揺らぐ
涙が浮かぶ
Aが困ったように微笑んで言う
『なんか...プロポーズみたいだね』
僅かに浮かんだ涙を拭いながら言うAを見て
錆兎は言う
錆「俺はお前と夫婦になりたいと思っている」
『!!』
錆「家庭を築き、子を作りたい
ずっとお前の隣に居て幸せにしてやりたい」
『錆兎...っ』
Aの瞳から涙が溢れ落ちる
嬉しさと予想もしなかった事に
理解が追い付かない
そんなAを愛おしげに見つめながら
真剣に、けど優しく微笑んで
左手の薬指に口付けを落とす
錆「俺の、これからの人生を全てかけて
お前を幸せにする、愛することを誓おう
結婚してくれA」
『...っ』
Aはもう泣くしかなかった
告白の返事をしに来た筈なのに
結婚を申し込まれて
もう何が何だかわからなかった
余裕がないのが悔しかった
だが錆兎の方にも余裕なんてない
互いに好いていると確信はしていても
自分の想いを真剣に伝えるなんて
そうそうない
初めてのことなんだ
Aは未だにまともな返事を出来ていない
こんな事言われるなんて思ってもいなかった
だから今まで考えてきたものが全て台無しだ
どうしてくれるんだと心の中で言う
何の飾り気もない、単純な気持ち、想いを
伝えるしかなかった
Aは涙を拭って錆兎と距離を詰め
そのまま顔を近付ける
二人の影が重なる
唇が、触れ合った
互いの唇の、柔らかい感触が伝わる
Aの行動に驚いた錆兎が目を見開く
だが、すぐにそれを受け入れるように
愛おしげに目を細めてAの体に腕を回す
Aが唇を離す
Aは少し恥ずかしそうに頬を赤らめる
それがいじらしいと感じる
涙を浮かべながら嬉しそうに微笑む
『好きだよ、錆兎...っ愛してる』
Aが抱き着いてくる
その言葉一つで胸が高鳴る
心が多幸感で満ちる
何て単純な男なんだと自分で呆れる
だが、今はそれどころではなかった
嬉しさに涙が浮かぶ
自分とは違う、Aの体の柔らかさを
感じながら抱く
錆「本当に...ッどうしようもないぐらい
幸せだっ」
その声は少し震えていた
Aが顔を上げて言う
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ユズ(プロフ) - とても面白かったです。もしよろしければ、終わセラのウルドやレスト・カーが鬼滅に出て来る物語書いていたたけませんか? (2021年2月24日 19時) (レス) id: 4556ad232c (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - それは分かる。 (2020年2月17日 15時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - いつか終わりのセラフのウルド様達上位始祖さんも出してください!すっごく面白かったです! (2020年2月17日 12時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - いつも素晴らしいお話を投稿して頂き、ありがとうこざいますッ!!(土下座) (2020年2月16日 17時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 露亞さん» いつも感想を呟いてくれてありがとうございます(土下座) (2020年2月16日 10時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2020年2月6日 18時