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二百二十七:想い3 ページ15

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逃がさないと言うように後頭部と腰に
腕を回される
隙間がない程に体が密着する


強く抱き締められて身動きが取れない
心臓の鼓動は早くなるばかりだ



密着した体

体格差、力強さ、体温、安心感を実感させられる
男と女の違いを実感させられる
性を感じる


近い距離で互いの息遣いさえ聞こえてきて
Aはぎゅっと目を瞑る






錆兎が口を開く



錆「...怖かった」

『錆兎?』


錆「お前が...また独りで遠くに行ってしまい
そうで怖かった」

『...ッ』




そんな声で言わないで
心配しないで...

勘違いしちゃうでしょ?



Aは心の中でそう言う


男と女で力の差があるとはいえ
鬼呪を使えば錆兎から離れられるだろう

それをしないのは惚れた弱みなのか___









そんなAを気にも止めずに錆兎は言う




錆「好きだ」


『___っ!!』






いとも簡単にそれは伝えられた

Aは大きく目を見開く


思いもしなかった事実に理解が追い付かない

互いの表情は窺えない



耳元で言われる

声、息遣い、それが直接脳に響くような感覚に
Aは困惑する




錆「どうしようもないほどAが好きで
仕方がない。
拒んでもいい、だが聞いてくれないか

好きだ、愛してる」



『...っ』





視界が、歪む

見開かれた大きな瞳から大粒の涙がポロポロと
零れ落ちて頬を濡らす

一心に、真っ直ぐに愛を向けられて
胸が痛い、愛情を感じる、嬉しさを感じる


痛みには...慣れている筈なのに
この痛みには全然慣れない
それどころか涙まで流す程だ



泣いているせいで息が乱れる


抱き締める力が弱くなる
自然と距離が出来て互いの顔が見えるようになる





Aは泣き顔を見られないように俯く



『...ッやだっ、見ないで...っ!』


止まらない涙を拭おうと目をこする

止まってよと心の中で繰り返すが
涙は溢れ出るばかりだ



恥ずかしさ、嬉しさ、胸の痛みのせいで
涙が止まらない

子供のように泣く





すると涙を拭う手を掴まれる

頬に手を添えられ顔を上げられる



紅潮した、涙を流す顔を見られる

泣いていても尚それは綺麗だった




『馬鹿っ、見ないでって...言ったでしょ』





初めてのことに、こんな事を言うぐらいしか
出来ることはなかった


すると優しく涙を拭われた



錆「そんな泣かないでくれ...
俺はお前に泣かれると弱いんだ」





愛おしそうな顔で優しく言う

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設定タグ:鬼滅の刃 , 錆兎 , 救済   
作品ジャンル:アニメ
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ユズ(プロフ) - とても面白かったです。もしよろしければ、終わセラのウルドやレスト・カーが鬼滅に出て来る物語書いていたたけませんか? (2021年2月24日 19時) (レス) id: 4556ad232c (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - それは分かる。 (2020年2月17日 15時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - いつか終わりのセラフのウルド様達上位始祖さんも出してください!すっごく面白かったです! (2020年2月17日 12時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - いつも素晴らしいお話を投稿して頂き、ありがとうこざいますッ!!(土下座) (2020年2月16日 17時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 露亞さん» いつも感想を呟いてくれてありがとうございます(土下座) (2020年2月16日 10時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来羅 | 作成日時:2020年2月6日 18時

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