二百二十五:想い ページ13
錆兎side
担当地区の警備をしていたら鴉から連絡が来た
「遊郭で上弦の陸との戦闘が行われている
援護に向かえ」と
鴉の案内で急いで遊郭へ向かう
すると前方から鴉が飛んで来る
その鴉が此方に向かってくる
それを見て目を見開く
その鴉はAの鴉、架韻だった
Aの簪を持っている
鴉から簪を受け取る
錆「何かあったのか...っ」
架「Aガ大変ダ！来テクレ！」
錆「ああ」
急いで遊郭へ向かう
現場に着くと既に戦いは終わっていた
戦いの傷跡が残っている
建物が崩壊して華やかな筈の街が荒れ果ててた
瓦礫の中を進みながら鴉を追う
そしてAを見つけたが＿＿＿
Aは倒れていた
ドクンッと大きく心臓が脈打つ
錆「Aッ！！」
Aの元へ駆け寄って体を抱き起こす
体が熱い
血を吐いたのか口元が血で濡れている
苦しそうな顔で息をしている
この光景を見るのは＿＿二度目だった
一度目はAが下弦の弐と戦った時
その時も自分が来た時には毒で死にかけていた
自分の腕の中で家族が、好きな女が
死にかけている
錆「Aっ！聞こえるか？しっかりしろ！」
頬を軽く叩く
そして首から顔に向かって皮膚が爛れているのに
気付く
Aの隊服の前を開けると
心臓部分を中心に皮膚が爛れていた
毒だ、心臓にまともに毒を喰らったのだ
するとAが苦しげに呻きながら
薄く目を開く
『さ、びと...？』
錆「...ｯ！A！」
毒による影響なのか拙く名前を呼ぶ
状況をよくわかってないようだ
『なんでここに錆兎いるんだろ...
私、死んだのかな...？』
錆「違う！！お前は生きてる！！」
虚ろな目をしながら少しだけ苦しそうな顔をする
それから目を閉じて甘えるように
此方にすり寄ってくる
『...あったかい、......すき』
錆「！！」
小さく呟いたそれは簡単に耳に届く
今まで焦りと心配で一杯になって
大きく心臓が脈打ってたのに
今度は別の意味で心臓が脈打つ
今、なんて＿＿好き？好きだって言ったのか？
するとAが呻く
そして俺から離れるように抵抗して
腕の中から出て苦しむ
『...ッゲホッ、グッ...ｯゴホッ、ゴホッ』
口に手を当てて咳き込む
指の間から血が滴り落ちて地面に赤が広がる
それを見て怒鳴る
錆「終命ノ夜！居るんだろ！！
Aを助けろ！！」
するとAが此方を見る
その瞳は赤い
人間のものではない冷たい瞳
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 347人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユズ(プロフ) - とても面白かったです。もしよろしければ、終わセラのウルドやレスト・カーが鬼滅に出て来る物語書いていたたけませんか？ (2021年2月24日 19時) (
レス) id: 4556ad232c (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - それは分かる。 (2020年2月17日 15時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
レナナミル♪(プロフ) - いつか終わりのセラフのウルド様達上位始祖さんも出してください！すっごく面白かったです！ (2020年2月17日 12時) (レス) id: aefdd45bb5 (このIDを非表示/違反報告)
露亞(プロフ) - いつも素晴らしいお話を投稿して頂き、ありがとうこざいますッ！！(土下座) (2020年2月16日 17時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 露亞さん» いつも感想を呟いてくれてありがとうございます(土下座) (2020年2月16日 10時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：来羅 | 作成日時：2020年2月6日 18時
