百九話:継子の危機 ページ17
Aside
あの時、楓は笑った
全くと言っていい程、他人に興味を持たなかった
楓が他の隊士を攻撃から庇った?
普通ならその成長を師範として褒めただろう
けど、重傷を負った?
馬鹿だ、大馬鹿すぎる
私も楓も___
『楓っ!!』
楓が運び込まれたであろう部屋の戸を勢いよく
開けて言う
し「Aさん!?」
カ「Aちゃん...」
しのぶとカナエさんが楓の治療の準備をしていた
私は楓が横たわるベッドの側に行く
一目見ただけでも重傷だ
右肩から腰にかけて大きく、深く切られて
出血が多い
意識を失ってるせいで呼吸による
止血も出来てない
このままじゃ___失血して死ぬ
『楓っ、聞こえる!?楓!!
起きろ!呼吸を使え!!』
し「Aさん...」
背中に手を添えられる
『しのぶ、楓を助けて...っお願い』
し「...ッ手は尽くします
後は楓さん次第です」
『...』
しのぶの声が震えた
すると、カナエさんが言った
カ「落ち着きなさい二人共
楓君を信じなさい」
「『...』」
カ「Aちゃん、今から治療をするから
外に__」
カナエさんがそう言うと
廊下から「待って下さい!」と言う声と
此方に走ってくる足音が聞こえた
そして、開けっ放しのドアから__
秋「楓っ!!」
私のもう一人の継子、白樫秋人が息を切らしながら入ってきた
普段は閉じている目が、今は大きく見開かれて
焦りと不安の色が浮かんでいた
楓とお揃いの、左耳に付けた耳飾りが揺れる
『秋人...』
カ「Aちゃん、秋人君を連れて
外で待ってて」
秋「...ッ」
すると、楓の姿を見た秋人が私の前まで来て
肩を強く掴んだ
秋「師範っ、楓を助けて下さい!!」
『私にはどうすることもっ...』
すると秋人が叫ぶ
秋「俺と同じ様に__
鬼呪を感染させて下さいッ!」
『...』
し/カ「「!!」」
しのぶとカナエさんの目が見開かれる
カ「どういうこと?Aちゃん」
し「鬼呪を感染って...」
『...出来ない』
秋「なんでっ、師範!!
っお願いです!俺から親友を奪っ...」
とうとう秋人が泣き出した
私は怒鳴った
『黙って!!
秋人の時は運が良かっただけなの!!
もしこれで秋人の様に鬼呪を感染させて
理性のない破壊と殺戮を求める鬼に
成り果てたらどうするの!?
力に耐えきれずに死んだらどうするの!?
ただその時々の感情に流されて
覚悟もなしに勝手な事言わないで!!』
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particle e(プロフ) - いえいえ (2020年3月15日 0時) (レス) id: 951567228e (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - みかんさん» 番外編、楽しんで貰えて何よりです!実は今、このシリーズを書くので手一杯な状態なので新たに作品を書くのは難しいんです...すみません!いつか番外編の内容で話を書けたらいいなと私も思っています。 (2020年3月15日 0時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - particle eさん» すみませんでした!ご指摘ありがとうございます! (2020年3月15日 0時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
particle e(プロフ) - 13ページの珠世さんの台詞のところに禰「」って書いてありました (2020年3月14日 21時) (レス) id: 951567228e (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 番外編めちゃめちゃ好きなので別の作品として描いてほしいです、、!! (2020年3月12日 16時) (レス) id: 671a807c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年12月9日 22時