【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 参

百十二話:鬼呪の感染3 ページ20

秋人side





体が熱い


何か大きな力が体を支配する

それに飲み込まれそうになる



『鬼に器を明け渡すな』






鬼？鬼ってなんだ？


あの時、俺は理解出来なかった




俺はひたすら思った


死にたくない、生きるんだ




だから＿＿＿





力を寄越せ、鬼＿＿！！



そう叫ぶ

実際に叫んだのか、心の中で叫んだのかは
覚えていない




が、意識がはっきりした頃には

千切れた筈の右腕が繋がって動く
貫かれた腹の傷が塞がっている






周りを見ると、Aさんは居なかった


俺は、Aさんに感謝した

命の恩人だ




だから、この恩返しをするためにも
継子になって役に立ちたいと思った









.









秋「こんな感じですかね」

『...なんか鬼舞辻と同類みたいだな私...』


し「まあ否定は出来ませんね」

『うっ...』

カ「話を聞く限り秋人君の時は
あっさり感染させたのね」



『...鬼呪を感染させれば助かるかなって
思って...勿論リスクは考えてましたよ

それにあの時の秋人は継子にする前で
仮に死んだとしても特に悲しまないから
すぐに感染させたんです』


秋「俺、案外しぶといですから」

『...』

し「それで、楓さんの場合は継子であり
家族の一員だからリスクを考えて
感染させるのに躊躇ったという事ですか」

『うん...』



し「わかりました
リスクは先程Aさんが言っていた通り

理性のない鬼になる
力に耐えきれずに死ぬ

と言うリスクがあるから簡単には感染
させられないという訳ですね？」



『うん、確率としては6〜7割の確率で失敗する
鬼呪を感染させれば普通の人間よりは強くなる
人間、とは言えなくなる

その力の代償に自らの命を賭けるのは
愚かな選択だ
秋人と楓は鬼呪に対する適正があっただけかも
しれないし運が良かっただけかもしれない』




秋「...俺は、人間と言えなくなったとしても
後悔はしてませんよ」

『秋人...』





しのぶが言う


し「とりあえずこの事はお館様に報告します
公表はしないようにしましょう」

カ「そうね、それにしても
秋人君が死にたくないって言ってた理由が
楓君関係だったなんてね」

し「まさか出来てるんですかぁ？」

『そうだったの！？
言ってくれれば良かったのに！』


秋「違いますよ。
あいつ、あんな格好してるけど男ですよ？
あいつは親友って以前に家族で兄弟のような
感覚で半身のような存在だから
大事なんですよ」

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