【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 弐

七十六話:記憶4 ページ31

義勇/錆兎side





Aからはずっと“柊”に対する
怒りと憎しみが伝わってきた


そして新たな場面が映し出される




幹部のような人間が集まって何かを話していた


「それで、養子になった子は誰だ？」

「五条Aという娘なのですが...」


「五条か...反逆を犯した家の子供か
反逆の血筋を残す訳にはいかない」

「それでは、あの娘は処分でしょうか
かなり莫大なお金を使いましたが...」


「...そいつはどれほど優秀だ？」

「剣の才に優れていて実力があります
頭も、真昼様には少し劣りますが、それでも
同年代の子供より遥かに賢いです」


「そうか、なら許嫁としてでなくても
駒として使えるな
反逆の思想を持っていたとしても所詮は子供
子供一人じゃ何も出来ない」

「それでは、五条Aを柊へ迎え入れると
いうことでよろしいですね？」

「ああ、駒として働いてもらう」








＿＿＿はっ、なんだよそれ
結局いいように使われるだけかよ
なんで柊なんて名乗らなきゃいけないんだよ
吐き気がする









.









再び暗闇に戻る



そろそろ、我慢の限界が来そうだ

義勇も錆兎も怒りの表情を隠しきれなくなった




親から無理矢理引き離し
しかも忠誠を示すために父親を殺させて

劣悪な環境の施設で子供同士で殺し合いをさせ
教官に暴力を振られて育ち

養子になった瞬間、反逆の血筋を残さない為に
駒としていいように利用される




人でなしはどっちだ

どうしてAがこんな思いをしなきゃならない




自分だったら耐えられないだろう

人間不信になる



そして、自分の意思ではないと言え
父親の命を自分の手で奪ったという過去

たった5歳の子供に植え付けられた
残酷な傷


Aが動揺し絶望するのも無理はない
自分だって同じ立場だったら、ああなってた筈だ








どうしてAはこんな思いを
したのに人に優しく出来るんだ


ずっと周りの子供や大人に嫌悪感を
向けていたのに



なんでお前はあんなに優しいんだ

今まで見てきた記憶のAと比べると
俺達の知ってるAは信じられないぐらい
優しすぎる


その裏で、お前はどんな思いをした





A...なんでお前は一人で抱え込む


つらかっただろう

苦しかっただろう


ずっと、誰も頼れる人が居なかったんだろう





待ってろ今行く


お前の抱えている苦しみも悲しみも
全部消すことは出来ないが
俺達が一緒に背負うから＿＿＿








だから＿＿＿＿

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