七十話:絶望の中で ページ25
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鬼の頚を斬ったAがその場に
呆然と立ちながら
肩を上下させながら荒い息を繰り返す
『はぁっ...はーっ、...ッ』
苦しそうな、悲しそうな顔をして
赤く染まった瞳から涙を流す
なにも考えられなかった
何も、考えられなかった
悲しみが、恐怖が、絶望が
『う、ああ...』
怒りが、憎しみが、負の感情のみが
心を支配する
それほど、自らの手で家族を殺す事は
とてもつらく、心を強く持ち続ける事なんて
出来なかった
それがたとえそれが、鬼だったとしても___
父の姿をした鬼の頚を斬った感覚が
鮮明に、手に残っている
『あ゛ああああっアアアアアアッッ!!』
悲痛な声で叫ぶ
呪詛が、呪いが巡っていく
終《...A》
Aは願う、早く正気を失わせてくれと
このままだと壊れてしまうと
Aの悲痛な叫びが周りに響く
義/錆「「Aっ!!」」
『...』
義勇と錆兎がAの元へ駆け寄ってくる
呪詛で黒く染まった目で二人を見るA
苦しそうに、荒く息をしながら涙を流す
義勇と錆兎がAの元へ来て言う
錆「Aっ!!しっかりしろ!!」
義「正気に戻れ!!」
叫ぶようにそう言う二人
義勇が此方に意識を向けるように
Aの腕を掴んで自分の方へ引っ張る
するとAが言う
『___いで、来ないでっ!!』
鬼の力で人間の限界を越えた音量が喉から出た
叫ぶのと同時に手を振り払う
義「...!」
それだけで義勇の体が数メートル先に吹き飛ぶ
義勇はなんとか体勢を整えて勢いを殺す
錆兎は咄嗟に義勇の方へ向かう
近くにいては危険だと、本能がそう叫ぶ
錆「Aっ、何してるんだ!」
義「A...」
二人が必死そうな、悲しそうな顔をする
Aは相変わらず苦しそうな顔で涙を流す
『いやだ...いやだっもうやめて、来ないでっ
二人を...殺すかもしれないっ』
もう既に、かなり鬼と混じり
破壊と殺戮を求める鬼と化していた
正気を失いたいと願いながらも
鬼になってしまえば二人を殺してしまうかも
しれないから、なんとか理性を保つ
正常じゃない
瞳が赤く染まったり青く戻ったりする
白目の部分が黒く染まったり
白く戻ったりする
その度に肩を上下させながら
苦しそうな顔で息をする
そんなAを見ていると
うずくまるAの側に一人の男がふわりと
姿を現した
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来羅(プロフ) - 璘さん» ありがとうございます!無惨様は無惨様だから(は?)夢主と会って多分痛い目見ると思いますよ!諦めるかどうかは微妙な所ですけど(^_^;) (2019年12月1日 12時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
璘 - 楽しく読ませて頂いております!夢主を鬼にしようとか無惨アホだなぁと思いながら見てます。無惨の事だから嘗めて掛かると思うので痛い目に遭って諦めて欲しいです。更新頑張って下さい(*´ω`*) (2019年11月30日 22時) (レス) id: c098776017 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます!応援すごく嬉しいです!がんばります! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - すごくよかったです!これからも応援してます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 黒豆粉さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2019年11月23日 15時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年11月16日 18時