六十七話:兄との対決 ページ22
義勇・錆兎side
嫌な予感がした
Aは蒼白な顔で涙を流した後
泣きながら此方を見て無理矢理笑った
どうして...どうしてそんな顔で笑うんだ
そんなAの姿を見て心が傷んだと同時に
とてつもなく嫌な予感がした
そしてその後すぐに、Aの様子が変わった
禍々しい力が溢れ出て
綺麗な青い瞳が赤く染まり
鬼のような牙が生える
本能が叫ぶ
駄目だ、行っては駄目だ
繋ぎ止めろ、Aを一人で行かせるな__!
義/錆「「A!!」」
Aの名前を呼ぶがAは見向きもせずに
鬼に斬りかかって
後退した鬼を追って霧の向こうへ
姿を消してしまった
錆「くそっ」
義「...っA」
そんな二人を余所に、Aの兄
晴明の姿をした分身体が斬りかかってくる
一刻も早く、こいつの頚を切り
Aの元へ行きたいが___
流石Aの兄か
鬼の力で強化されているとはいえ
呼吸を使った二人と互角___
更に二人を相手にして戦う程の実力
晴明の顔は、父親と似ていた
晴明が言う
晴「弱い奴らが群がった所で勝てるわけないだろ
早く、死んでくれよ」
そう、冷酷に吐き捨てる分身体
二人で連携して攻撃を繰り出すが
ことごとく防ぎきられてしまう
義勇や錆兎に比べて、剣の実力はなく
むしろ劣っていたぐらいだ
それなのに二人が苦戦を強いられていたのは
圧倒的な速さと、劣っている剣術を
カバーするように繰り出される蹴りや拳
速さはともかく、体術が厄介だった
一発喰らっただけでも動けなくなるような
拳や蹴りをギリギリで避ける
鬼の術で、Aの記憶から
兄の姿と力、人格をそのまま引き出したらしい
なら___
錆「おい!晴明!お前はAの兄だろう!」
晴「...」
分身体ではなく、晴明自身に呼び掛けるように
言う
攻撃をかわしながら義勇が言う
義「俺達は、Aの家族だ
Aからお前の事は聞いている
優しく、賢い自慢の兄だったと」
晴「か、ぞく?家族...自慢の兄?
あっ...俺、俺は...」
途端に動きが鈍くなり
何かに気付いた顔をした
そして、刀を地面に落とす
錆「...もうこれ以上、Aに悲しい思いを
させない為にも___」
晴「ああ__わかってる
俺は此処に居てはいけない
頚を、切ってくれ」
晴明は静かに目を閉じて言う
.
ちなみに、晴明のイメージCVは斉藤壮馬
シスコンだがAの幸せを望む
いいお兄ちゃん
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来羅(プロフ) - 璘さん» ありがとうございます!無惨様は無惨様だから(は?)夢主と会って多分痛い目見ると思いますよ!諦めるかどうかは微妙な所ですけど(^_^;) (2019年12月1日 12時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
璘 - 楽しく読ませて頂いております!夢主を鬼にしようとか無惨アホだなぁと思いながら見てます。無惨の事だから嘗めて掛かると思うので痛い目に遭って諦めて欲しいです。更新頑張って下さい(*´ω`*) (2019年11月30日 22時) (レス) id: c098776017 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます!応援すごく嬉しいです!がんばります! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - すごくよかったです!これからも応援してます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 黒豆粉さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2019年11月23日 15時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年11月16日 18時