六十六話:痛む心 ページ21
Aside
義勇と錆兎とは違い
私は自分のせいで家族を失った
父に至っては、私がこの手で殺した
私が居なければ、父も死ななかった
兄も私を守るなんて事せずに生きていられた
自分が生き残る為に他の子供を殺さずに
済んだかもしれない
本当に馬鹿で、愚図で、どうしようもない奴だよ
今まで、家族だとか仲間だとか言って
その優しさや暖かさに甘えていたが
過去は変わらない
人殺しの事実は変わらない
むしろ、幸せなほど残酷な記憶は
より鮮明に思い出される
胸が酷く痛む
ずっと、覚えているのだ
父を殺した時の感覚も
父に抱き締められ、頭をなでられた感覚も
残された体温を求めるようにすがりついた時の
感覚も、全て___
鬼だと、わかっていても
あの時の感覚、痛み、悲しみ、苦しみ、怒り
憎しみが全て私の心に、魂に刻み込まれていて
どうしても___手が震えるのだ
父を再び殺すのが
家族に失望されるのが
こんなにつらく、痛いものなのだと
実感させられた
もう、いいかな___
私は涙で歪む視界で義勇と錆兎の方を見て
笑顔を作って笑った
二人がどんな顔をしていたのかはわからない
私は心の中で言う
___欲望を喰らえ
鬼になってもいい、限界まで力を寄越せ
終《死んでもいいのか?》
___私の鬼なんだからわかるくせに
凄くつらいんだよ、正気を失えたらどんなに楽か
終《手離してもいいのか?新しい家族を
つらいなら俺が全部片付けてやる
鬼を殺すまで俺に体を貸せ》
___...
終《俺は認めないぞ、俺はお前を守る》
___それは、父さんに言われたからでしょ?
私を守ってくれって
終《あぁそうだ、秀我もそんなの望んで__》
___だから?望んでいないとしても
止めてくれる父さんは...五条秀我は居ないよ
私が、殺したからね
終《...》
___やる事は同じ、父さんを殺すだけ
必要があれば晴明も殺す
あはは、兄殺しにもなっちゃうなぁ...
すると終は暫くして諦めた顔をして笑った
終《わかった、じゃあ欲望を叫べよ
お前が望むだけ力をやる》
___鬼を、父さんを殺す
.
次の瞬間、とてつもない力が供給される
禍々しい力が溢れ出る
目は青から赤く染まり
鬼のように牙が生える
義/錆「「A!!」」
二人が私を呼ぶ
だが、私はそれに応えない
父さんの姿をした鬼に刀を振るい
戦いながら二人から離れていった
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来羅(プロフ) - 璘さん» ありがとうございます!無惨様は無惨様だから(は?)夢主と会って多分痛い目見ると思いますよ!諦めるかどうかは微妙な所ですけど(^_^;) (2019年12月1日 12時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
璘 - 楽しく読ませて頂いております!夢主を鬼にしようとか無惨アホだなぁと思いながら見てます。無惨の事だから嘗めて掛かると思うので痛い目に遭って諦めて欲しいです。更新頑張って下さい(*´ω`*) (2019年11月30日 22時) (レス) id: c098776017 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 十六夜さん» ありがとうございます!応援すごく嬉しいです!がんばります! (2019年11月24日 20時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - すごくよかったです!これからも応援してます!! (2019年11月24日 17時) (レス) id: 15eeb3cf2b (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 黒豆粉さん» 応援ありがとうございます!頑張ります! (2019年11月23日 15時) (レス) id: 6a0971bec3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2019年11月16日 18時