【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 弐

五十三話:助ける ページ8

Aside





夜が明けそうになった頃

上弦の弐 童磨との戦いは終わった
逃がしてしまったが今は＿＿＿＿




『カナエさんっ！しっかりして下さい！
今すぐ蝶屋敷に運びますから！』


私はそう言いながらカナエさんを横抱きにして
走り出す

すると、カナエさんは苦しそうに息をしながら
途切れ途切れに言う



カ「...っAちゃん...私はもう...」

『駄目です！諦めないで！！
妹に＿＿＿しのぶに家族を失って悲しい想いを
させたくないでしょう？！

しのぶに残された家族は＿＿＿
貴女しか居ないんですから
絶対に、家族の所へ帰りますよ！』


カ「Aちゃん...」



私はカナエさんを抱える両手に力を入れる

そしてより早く、一刻も早く蝶屋敷に向かう為に
力を使って体を加速させる









鬼呪を使ったから、早く蝶屋敷に着いた


両手が塞がってしまっていたので
行儀が悪いが足で屋敷の戸を開けて叫んだ



『しのぶ居る！？』


すると直ぐに屋敷の奥から姿を現したしのぶが
此方を見た瞬間とても驚いた顔をした



し「...っ姉さん！？」

『重傷なの！！
鬼の血鬼術で肺胞が壊死してる上に
肺を深く切られてる！早く治療を！！』

し「こ、こちらに！」


動揺しながらも案内するしのぶの後に着いていき
治療室にカナエさんを運んだ

蝶屋敷で働いている人達も
事態に気付いて、てきぱきと準備を始めた




一旦部屋から出て下さいと言われたので
私はカナエさんの治療が終わるまで
部屋の外で待った







すると、二時間程経ってから
しのぶが出てきた



『...！カナエさんは！？』


し「なんとか、命は取りとめました
きっと明日には目を覚ますと思います

あと...数十分来るのが遅かったら
助かりませんでした...


ありがとうございます、Aさん
姉さんを助けてくれて」



涙を浮かべながら頭を下げてお礼を言うしのぶに
私はなんとも言えない気持ちになった


『...全然、助けられてなんかいないよ
私が攻撃を捌ききれていればカナエさんは
こんな傷を負う事はなかった...』

し「そんなことはっ」



『その上、頚を切る事さえ出来ずに
逃がしてしまった
私が付いて居ながら柱であるカナエさんを守れず
あまつさえ鬼も逃がしてしまうなんて＿＿＿

滅柱なんて名乗っておきながら
こんな...』


し「Aさんっ！！」




私の言葉を遮るようにしのぶが叫んで
私の手を掴んでくる

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