【鬼滅の刃】鬼を以て鬼を制す 弐

五十話:上弦の弐 童磨 ページ5

Aside





鬼の姿を確認した私達は刀を構える

すると、此方に気付いたのかその鬼は
振り替えって此方を見る


目に力を集中させる



頭から血を被ったような鬼
目には上弦弐と刻まれている

にこにこと屈託なく笑い
穏やかに、優しく喋った




「ん？あれぇ？誰かと思ったら女の子か〜
若くて美味しそうだなあ」



なんて、へらへらと言う
私達はそれを無視して斬りかかる

頚を狙ったが、その鬼は表情を崩さずに
笑いながら攻撃を避けた



『...』

反応速度はそれなりに高いな
“それなりに”だけど

けどこれはまだ序の口
本気じゃないだろう



「せっかちな子達だねぇ
けどいいや、まずは自己紹介しようか

俺の名前は童磨
“万世極楽教”の教祖なんだ」

と言いながら対の扇を出した



あれが武器か...

『生憎、私は宗教には興味なくてね』


と言うと、童磨の視線が私に向けられる



童「ええ〜そうなの？

＿＿ああ君、凄く綺麗な顔してるね
凄く俺好みな＿＿」


私達は童磨に斬りかかる

すると、咄嗟に扇で刀を防いだ


ギィンッと金属と金属がぶつかり合うような
甲高い音が響く

私達の刀が童磨の持つ扇に押し付けられて
ギリギリと音を立てる




童「すごいなぁ、凄く早いし攻撃も重い
可愛い顔してるのにこんな強いんだね！」

『はっ、そんな軽口聞けなくしてやるよ！』


と言いながら刀を押し返す

すると力に耐えきれずに童磨の足が
橋に埋まる


刃越しに顔を見合わせる



童「...！すごいな、本当に君人間？

＿＿＿あれ？君って...
氷雨殿を殺した子じゃないか！」

『...！』


氷雨...氷雨って＿＿＿

4年前に私が倒した下弦の弐＿＿＿




童「氷雨殿は下弦の中でも相当強かったから
話を聞いた時は信じられなかったよ
氷雨殿とは弐繋がりで少し仲良かったんだ

けど今、氷雨殿が負けたのが理解出来たよ＿」


すると、急に周りの空気が冷たくなった

異変に気付いたカナエさんが
童磨から距離を取りながら叫んだ



カ「Aちゃんっ！！」

『...ッ！』


私は咄嗟に童磨の胴体に蹴りを入れて
その反動で後ろに下がる


童磨の体は建物を巻き込みながら
大分遠くまで吹き飛んだ
数十m程度だが







すると、後ろに下がって着地すると同時に
異変に襲われた


『...ッ、ﾊｱｯ..ｱ...ｯ』

カ「Aちゃん！？大丈夫！？」




私はなんとか息を整えながら言う

『...くそっ、やられたな
カナエさん、かなり...厄介な、鬼ですよ』

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