東卍の白豹Part8

347話:赤 ページ5

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マイキーが拘束され
一虎に鉄パイプで頭を何度も殴られている一方で

雪はあまりの痛みと衝撃にふらついて
その場に膝を付いた



脳が揺れた感覚を覚えながら
殴られた部分を手で押さえれば
ジワリと濡れた感触と生温さがして
出血しているのだとわかった


かつての兄とお揃いにしている白い髪は
自分の血でジワジワと赤く染まり始めた



『(いってぇ...結構強めにやられたナ...
はは、白に赤で目出度いってか...？笑えねぇナ
コレは強烈なの返してやらねェと
それから...マイキーを助けに＿＿＿)』





なんて思いながら、立ち上がろうと足に力を入れた雪

すると、雪がダウンしなかったのが意外だったのか
男は再び鉄パイプを振り上げた



「頭やったのに落ちねぇのかよっ！」

『！！』




そうして追い打ちをかけられた

頭目掛けて、勢いよく振り下ろされる鉄パイプ


雪は頭への攻撃を受けたばかりで
普段通りの素早い動きが出来なかった

避けきれないと判断した為、咄嗟に右腕を上げて
防御の態勢を取った




鉄パイプが振り下ろされる


受け止めた瞬間、パイプがぶつかった音と一緒に
ビキッと嫌な感覚が腕から伝わった

さっきよりも早く、強く振り下ろされたソレは
とてつもない衝撃と痛みを雪に与えた




『(やば...ｯ骨、いったナ、コレ...)』




意外にも、頭は冷静だった

現状を把握したのと同時に、攻撃の勢いに負けて
再び頭に鉄パイプを振るわれた



『ぐっ、ぁ"...ｯ』





男の力で、しかも鉄パイプで2回も頭を殴られた雪は
流石に立てる程の余力はなかった

大きくふらつき、遂に倒れるかと思ったその時だった



芭流覇羅のメンバーが
動けなくなった雪の身体を容赦なく蹴り飛ばした





ドッ＿＿と鈍い音と衝撃と共に
雪の華奢な身体はそのまま下まで転げ落ちた


ガンッ、ガシャンと廃車にぶつかる嫌な音が
断続的に響き渡る中、雪が落ちていく衝撃的な光景に
仲間達が叫んだ



「雪っ！！！」

「隊長！！！」





なんとか咄嗟に頭を守った雪だったが
まともに受け身を取れずに転げ落ちたダメージは相当だった



『...ｯ"、...っ』




幾ら喧嘩が強くても、致命的なダメージを受けて
すぐ動ける程の余裕はなかった


そんな、倒れたままの雪に
まだ無情に、容赦なく追い打ちがかけられる







芭流覇羅のメンバーが何かを振りかぶった


キラリと光を反射するソレは＿＿＿＿




鋭利な刃物だった

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