349話:合流 ページ11
.
普段、敬語を使って猫被りをしているのが完全に剥がれて
素の状態で怒りを顕にした春千夜
”失わせない“というその言葉に
『ごめん』と返す雪
それを聞いた春千夜は更に顔を顰める
春千夜「...謝るぐらいなら
最初っからこんな思いさせんなっての」
そんな悪態をつきながら、雪へ手を伸ばす春千夜
春千夜「ったく、なんて格好してんだよ
こんなボロボロで汚れた格好＿＿＿＿
ウチの特攻隊長には似合わねぇよ」
『春千夜...』
春千夜「下手に動くな、休んでろ」
『...』
綺麗好きな筈の春千夜が、雪の特服についた
砂埃等を手で軽く払って落としていく
ここまでするのも雪相手だったからだ
雪は、有無を言わせない圧を春千夜から感じて
黙り込んだ
そうしている内に、敵の包囲から抜け出してきた
特攻隊のメンバー達が雪の元へ集まってきた
そして、それぞれが春千夜に礼を言った
だが、対して春千夜は不満げに眉間に皺を寄せる
「三途！！ありがとう、雪を助けてくれて」
春千夜「テメェら、普段からウザイぐれぇ
雪の周り居るくせにこういう時は役立たずなんだな」
「う"っ...」
雪第1なメンバー全員が容赦なく痛い所を突かれた
それに対してぐぅの音も出ないメンバー達
だが、それに噛み付いた子がいた
「相当警戒されて邪魔されてたんだよオレら
誰かさんと違って強いからな」
春千夜と同い年で、そこそこ関わりがあったメンバーが
気怠げそうに、だが僅かに煽りを含んだ声でそう言った
春千夜はすぐそれに反応した
春千夜「あ？言い訳かよダッセェな三白眼」
「あ"？普段の猫被りはどうしたよ？女顔」
ゼロ距離でガンを飛ばし合う2人
普段からそれなりに仲良くしてるから
ぶつかり合うのにも遠慮がなかった
それを見ていたメンバー達が呆れた顔をした
「あちゃー...同学年同士でバチバチし始めた」
「今、味方同士で喧嘩しても意味ねェのになァ」
「二人して美顔がしちゃ駄目なカオしてる...」
「ったく、こんな馬鹿してる暇ねぇぞ！！
今すぐ＿＿＿」
その時だった
マイキー達が居る方からざわめきが聞こえてきた
その方を見れば、積まれた廃車の上で膝を付き
ピクリとも動かないマイキーの姿があった
次第に、「本当に動かねぇぞ」「今ならやれるんじゃね？」
という声が聞こえてくる
それを聞いた特攻隊のメンバー達は
今後の展開が容易に想像出来てしまい、表情を変えた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
来羅(プロフ) - roofermiho1002さん» ここのマイキーはアニメや漫画だけじゃなく実写も怖かったですよねぇ...場地さんと稀咲が対峙するシーンは話の進み具合を考えて省略しました (5月6日 10時) (
レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
roofermiho1002(プロフ) - ヤバイこのシーン、自分怖かった。マイキーの顔も普通じゃなかったし…あれ？きさきと場地さんの場面が… (5月6日 9時) (レス) @page18 id: aaf368f7e9 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - プーさん大好きさん» 感情任せに表に出さないのが余計“ガチ”なんだなってなりましたね...台詞変えつつ、「怒り」の1言じゃ表せない気持ち持ってるのを書くのに苦労しましたね (5月5日 23時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
プーさん大好き(プロフ) - アニメでこのシーン見たときすごい震えたのを思い出します。マイキーくんのキレてるはずなのに感情がないあの目は自分も書いてるときゾッとするほど怖かったのを覚えてます。 (5月5日 22時) (レス) @page18 id: 6c625ad537 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - roofermiho1002さん» 2年前の事もあって夢主の怪我には敏感になってるマイキーが居ますね...ワカを早く登場させたいのですが出番はまだまだ後ですねぇ... (5月2日 21時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：来羅 | 作成日時：2023年12月24日 18時
