東卍の白豹Part8

343話:大丈夫 ページ1

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雪が武道達と別れて少し時間を置いてから
阪泉が声を上げた



阪泉「準備はいいかー！！？
主役共のぉ！！！登場だぁ！！！

東京卍會！！芭流覇羅！！」




その声を合図に、2箇所ある廃車場の出入り口の扉が
同時に開くと今日の主役達が現れる

そして自分達のチームを旗を掲げながら互いに向き合う



マイキーの登場にギャラリーがざわめいた
先程、雪が登場した時と同じ様に
視線が一点に集まった

その視線と声、雰囲気に血が踊るのを感じる


だがそこで雪はある事を感じ取った




抗争相手と対面

大きなチームとの抗争

多くのギャラリー


今まで何度も感じて来た雰囲気と圧の中に
”異質“な何かを感じて少しだけ目を見開いた





『...ヤな感じするナ』

「ヤな感じですか？」


少し気怠げそうな顔で呟いた雪に
特攻隊のメンバー達がより近くに寄ってきた



『そ、なんか”殺してやる“って感じがスゲェ伝わってくる
”勝ちたい“にしては雰囲気が違うし
何人かは総長より私に目ェ向けてる
スゲェわかりやすいナ』

「あんの野郎共が...」


『タケミチが言ってた通り
私が今回のターゲットみたいだネ
まぁ私を潰せば勝率上がるってのは事実だケド』




春千夜(タケミチ...？
最近雪の周りウロウロしてるあのガキか
ってか雪が狙われてるだ？
ざけんな、ぶっ殺してやる)


その特攻隊の会話に、近くに居た春千夜が反応した
何せ幼馴染みである雪が関わっていたから
頭の中で物騒な事を考えていた

この男、マイキーにも過剰に反応するが
雪に対してもだった




「隊長はオレらが守る
だから心配はするな」

「オレらの隊長に傷1つでも付けたらぶっ殺してやる」

「先輩ら物騒過ぎ...まぁ同意しかないけど」


『だぁいじょうぶ、そう簡単にやられる程か弱くねェンだワ
現に弱ェ女がオマエらを統率できるワケがねェだろ？

オマエらに求めるコトは1つだけ
いつも通り、好きに、派手に暴れ回ってやれ』



不敵に笑う雪
その隊長からの要望に隊員達は返事をした





特攻隊のやり取りを聞いていた春千夜が
顔を曇らせて、誰にも聞こえない様に小さく呟いた




春千夜「...こういう時の雪の“大丈夫”は
信用出来ねぇんだよ」


＿＿＿また失うなんざ、真っ平ごめんだ




”私は大丈夫“だと言って
誰にも助けを求めず、弱って壊れ
終いには川に身を投げて死んだ、前の世界の雪を
知っている春千夜は、拭い切れない不安を抱いた

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