304話:刻み付ける2 ページ6
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ワカは狂気と殺意を宿した瞳をして、真一郎に圧をかけた
ギラつくその瞳は白豹時代を、そして雪を思い起こさせた
それから、もう一押しするように
「この条件を飲めねぇなら雪は渡さねぇ
オレ1人で雪を刻みつける」と言った
ワカの方も、このカタギの世界から離れる気満々だったのだ
真一郎は、ワカが抱える壺に手を乗せて
自嘲するように笑いながら言う
真一郎「こんな事して...雪に怒られるな...
取り憑かれても文句は言えねぇな」
若狭「違ェよ、逆にオレらが雪を縛り付けるンだ
もう、何処にも行けねェようにナ」
雪は取り憑くなんて真似しない
だからこそ刻み付けるんだ＿＿＿＿
ワカはそう言って笑った
恋人と兄の独占欲と執着心は常軌を逸していた
そこからは早かった
暴走族時代の仲間のツテで腕のいい彫師の元へ向かい
2人して刺青を彫った
絵柄の打ち合わせをして、遺灰を細かく砕いた
彫師だけに任せず、2人も雪の遺灰を砕いた
彫る範囲はできるだけ広く
使う遺灰も多くと我儘を言って
首、肩、胸、背中、腕と雪を刻み付けるように
墨を入れていった
刺青を入れる事は「我慢」と言うらしい
タトゥーよりも深い所に墨を入れるから
一生涯消える事はないが、その変わりに激痛を伴う
失神する者も居ると聞いた痛みは想像以上で
真一郎とワカを長い時間苦しめた
雪の遺灰を使う＿＿＿
そう、平然と言ったものの
心の何処かで雪に対する罪悪感、罪の意識があった
だから2人は雪への謝罪だと、自分達の罰だと
その激痛を受け入れて、数時間耐えてみせた
全ての施術が終わった頃には
2人の身体には黒い龍が広がっていた
こうして雪は死んでも尚
この2人の側に居ることになった
2人の身体に広がる龍となって＿＿＿
その後、真一郎はバイク屋を閉めて“黒龍”を創った
よく人に好かれる真一郎は、色々な組を集めて吸収していって
その規模を拡大していった
真一郎「見ててくれよ、雪
オレ頑張るから...
でもやっぱ虚しいな、会いてぇよ、雪...」
ワカはと言うと、髪を切って、不良だった頃の容姿へ戻った
雪そっくりな見た目になり
その姿で雪の仇討ちをしている
若狭「ははっ...やっぱオレら兄妹だからすげー似てるワ
殺したと思った“雪”が目の前に現れたら
どんな顔すンだろうナ、楽しみだ」
これが、雪の死後あった出来事だった＿＿＿＿
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来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 更新頑張って下さい！ (11月24日 21時) (
レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 了解！あ、東リベのも更新しこないとまだ原作前だぁ (11月24日 20時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» おー！是非夢主を守る側に回って下さい！ (11月24日 19時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 自分なら一緒行って戦うかなぁ (11月24日 8時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 夢主は喧嘩強い筈なのに華奢な女の子という事もあって周りがよく過保護になっちゃうんですよねぇ...夢主を守りたい派と守られたい派が存在してます (11月24日 6時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：来羅 | 作成日時：2023年7月22日 18時
