東卍の白豹Part7

331話:抗争前、それぞれの思い6 ページ38

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千冬から聞いた、そんなヤベェ奴らの視線が
全て自分に向けられている事に武道は泣きそうになった


武道(視線が...痛い、助けて雪さん！！
って嘘だろ！？寝てる！？)




心の中で雪に助けを求めた武道

そんな中、アジトのソファで呑気にスヤスヤ寝ている
雪を見つけた




すると、その側で寛いで髪をいじっている
中性的な顔をした隊員が雪に声をかけた


「隊長、花垣って言うヤツ来たよ
急ぎじゃないならアタシが対応するけど」

『ん〜...？あれ？もうタケミチ来た？
ふぁ...起きるから帰しちゃダメだよ』

「はぁーい」



武道(“アタシ”？男の人...だよな？)


「何1人で百面相してんだよ」

『コラ、あんま意地悪すンなって
皆もそんな睨まないの
タケミチ、私の後輩』

「...言い聞かせるように言わなくても知ってるっての」



いつの間にか直ぐ側に雪が居て
いともたやすく隊員を宥めていく

すると、雪は武道に『話って何？』と聞いてきた
それに武道は口を開く




武道「雪さん...抗争はもう止めれないですか？」

『もう抗争前日だよ、皆やる気だし
こっちは宣戦布告されたンだ
売られた喧嘩は買う
それに芭流覇羅は元々避けては通れねェチームだし
いずれはぶつかるコトになる』

武道「...雪さん、今回の抗争はやばいんです
それこそ死人が出るかもしれないんです」



その言葉に空気がガラリと変わったのを感じる
特攻隊のメンバー全員の視線が武道に集まる

雪も少しだけ目を見開いて
それから笑みを浮かべて言う



『なんか、8・3抗争を思い出すナ
そン時もタケミチは必死そうだった
今みたいに、未来でもわかってるような言い方してサ』

武道「信じれないのはわかってます！でも...」


『信じるよ』

武道「！！」


今度は武道が驚く番だった



『“目は口ほどにものを言う”って言うだろ？
タケミチの目、嘘ついてる目じゃねェもん
それこそ、8・3抗争の時と同じ目
あン時は堅が死にそうになってたのをタケミチが救った

もしかして...今度は私が危ないって言いたいのかナ？
そンで、抗争に参加すンなって言いたいのか』


武道「あ、えっと...」



全て見通しているような言い方に武道は動揺した

そんな武道を見て雪は笑う




『はは、ホントわかりやすいナ
ンな心配しなくても、この白豹サマは
そう簡単にやられる程か弱い女じゃねーンだワ
明日の抗争、いつも以上に暴れるつもりでいるから
野暮なコト言うなよ？』

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