329話:抗争前、それぞれの思い4 ページ36
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小さく、ボソリと呟かれた言葉は
ドラケンにも聞こえたのか
その言葉に反応して表情が変わった
龍宮寺「あ?」
一虎「お情けで用意された居場所なんて要らねぇ___
これ以上惨めな思いさせるつもりかよ?
どうせオレなんか居なくても平気なくせに...
そういうトコが気に入らねぇんだよドラケン
明後日の決戦で東卍は潰す」
そう言って一虎は、もう話す気はないと言うように
ドラケンの横を通り過ぎていった
ドラケンは一虎が放った言葉に、怒りが湧いた
“お情け”なんかで雪は動かない
“片割れ”ならそれぐらいわかるだろ___
龍宮寺「テメェ...っユキがどんな思いで____
マイキーもユキもこんな事望んでねぇぞ!!」
一虎「...」
ドラケンの言葉に、一虎は一言も言葉を返さずに
その場から去って行った
どうして、あんなに仲良くつるんで馬鹿やっていたのに
こうなってしまったのか____
ドラケンは悔しさを覚えて拳を強く握った
一方、ドラケンと別れた後の一虎は
ある建物の屋上に居た
手摺の外側に立って、冷たい夜風に吹かれながら
ぼんやりと街の景色を眺めて先程の会話を思い出して
頭の中で反芻していた
一虎「...言葉ではなんとでも言えんだろうが」
自分の中で、気持ちの整理がつけられずゴチャゴチャになる
髪をグシャリと掴んで悪態をつく
差し伸べられた手を、素直に取ることが出来ない
自分にも苛立ちを覚えた一虎だった
その後、ドラケンは雪と話そうと
東卍のアジトへ向かった
雪はアジトのソファに、何処か遠くを見て物憂げな顔で
もたれ掛かっていた
龍宮寺「ユキ、一虎と話してきた」
『そっか...1人で此処に来たってコトは___
説得は無理だったみたいだネ』
龍宮寺「わりぃ」
『堅が謝るコトじゃないよ
寧ろ謝るのはコッチだ
そもそも隊員をよく見れてなかった隊長の...私のせいだ
ホント...役立たずでダメな隊長でごめんネ
圭介も一虎も、私の特攻隊の大切な隊員だった
なのに、敵側に行かせちゃった
全責任を取る覚悟は出来てる
もしもマイキーや堅、他の隊長が
私を特攻隊長に相応しくないと言うなら私は隊長の座を下りる
辞めろと言うのなら私は東卍を辞める』
龍宮寺「ユキ...」
『よく考えたら...こうなったのも全部私のせいだよネ
私が下手に怪我したせいで皆がギスギスするようになった
本当に...何してンだろうナ』
雪は自虐的に笑った
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来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 更新頑張って下さい! (11月24日 21時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 了解!あ、東リベのも更新しこないとまだ原作前だぁ (11月24日 20時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» おー!是非夢主を守る側に回って下さい! (11月24日 19時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 自分なら一緒行って戦うかなぁ (11月24日 8時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 夢主は喧嘩強い筈なのに華奢な女の子という事もあって周りがよく過保護になっちゃうんですよねぇ...夢主を守りたい派と守られたい派が存在してます (11月24日 6時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来羅 | 作成日時:2023年7月22日 18時