328話:抗争前、それぞれの思い3 ページ35
.
抗争がいよいよ明後日まで迫っていた
その日の夜、ドラケンは一虎と会っていた
一虎「急に呼び出して何の用？ドラケン」
龍宮寺「久しぶりだな、一虎」
薄く笑みを浮かべて、一虎が少しだけ顔を傾ける
リン＿＿＿と鈴の音がやけにハッキリ響いた
ドラケンは一虎と向き合って言う
龍宮寺「やめねぇか？こんな抗争」
途端に、一虎の顔から笑みが消えて雰囲気がガラリと変わった
龍宮寺「わかんねぇよ、一虎
なんでオマエがマイキーを恨むんだ？
マイキーはオマエに有利な証言したんだぞ？
そのおかげで早く出てこれたんじゃねぇかよ
アイツがどんな思いで...」
一虎「ウッセェ
2年間...オレの大事な2年間ずっと塀の中だよ
それに誰のせいで苦しんだと思ってる？
ずっと...雪を殴った時の感触が残ってんだよ...っ
オレはもうあの頃のオレじゃねぇ」
龍宮寺「それでもオレはオマエの仲間だ！
オレだけじゃねぇ、ユキもオマエの仲間だ！！」
一虎「...仲間？」
仲間なら、味方ならどうして“こっち”に来ない？
オレの側に居ない？
一虎は、そう思っていた
龍宮寺「一虎、オマエが東卍に戻ってくるのを
待ってるのはオレだけじゃねぇ
確かに東卍は昔と違って大きくなった
だからって一虎の居場所がなくなった訳じゃねぇ
ユキはオマエが東卍に戻ってくるのを信じて
特攻隊の副隊長の席を空けたままにしてる
『特攻隊副隊長は一虎だけだ』って言って
誰の意見も聞き入れなかった
2年間、ユキは一虎が帰ってくるのを
ずっと待ってたんだぞ。だから帰ってこいよ
また昔みてぇに皆で馬鹿やって笑い合おうぜ？」
一虎「...！！」
思わず目を見開いた一虎
その瞬間、芭流覇羅のアジトに突撃してきた
雪の姿とドラケンが重なった
あの時雪も、似たような事を言っていたのを
鮮明に覚えている
真正面からこんな事を言われて
自分を必要としてくれる嬉しさを感じた
胸が締め付けられる感覚を覚えた
けれど、東卍に戻る怖さは変わらなかった
過去は変わらない＿＿＿＿
雪を傷付けた自分が
今の東卍に戻ったらどんな顔をされるか...
ドラケンの言う通り
昔と違って人が多くなり規模も大きくなった
きっと...雪は自分じゃない誰かと仲良くなって
楽しくやっているのだろう
だったら自分なんて必要ないじゃないか
そこに居場所なんてあるわけがない＿＿＿＿
一虎はそう思ってしまった
一虎「......嘘つき」
329話:抗争前、それぞれの思い4→←327話:抗争前、それぞれの思い2
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1012人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 更新頑張って下さい！ (11月24日 21時) (
レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 了解！あ、東リベのも更新しこないとまだ原作前だぁ (11月24日 20時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» おー！是非夢主を守る側に回って下さい！ (11月24日 19時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴桜(プロフ) - 来羅さん» 自分なら一緒行って戦うかなぁ (11月24日 8時) (レス) id: d20e4b43d8 (このIDを非表示/違反報告)
来羅(プロフ) - 鈴桜さん» 夢主は喧嘩強い筈なのに華奢な女の子という事もあって周りがよく過保護になっちゃうんですよねぇ...夢主を守りたい派と守られたい派が存在してます (11月24日 6時) (レス) id: b52bee30b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：来羅 | 作成日時：2023年7月22日 18時
