東卍の白豹

8話:白いアイツ ページ9

マイキーside




アイツと会ったのは、オレが6つの時だった

シンイチローの仲間の妹で
その付き合いの中でウチに遊びに来ていた時に
初めて会った



白くてふわふわとしたネコみたいな奴

それが第一印象だった






「2つ上だからお姉ちゃんなんだぞ」と
シンイチローは言ってたけど、オレは気にせず
同い年のヤツらと一緒の接し方をした

別に、女だからといって接し方は変えなかった
だってオレより少し背高いし、髪短けぇし、口悪いし
男みたいだったから



けど、エマにとっては凄く嬉しかったらしく
「お姉ちゃんが出来た！」とはしゃいでいたのを覚えてる
それから「雪ネェ！雪ネェ！」と
アイツの後ろをついて回るようになった

オレらには見せない顔で笑って







その頃のオレは何でかわからないがそれが気に入らなくて
ある日、アイツに喧嘩を売った


どうせ他の奴らと同じだ

どうせ弱いんだ



いつも通り得意な蹴りを繰り出した





その瞬間、アイツの紫とオレの黒がかち合った

普段の、相手を蹴り飛ばした感覚がなく
気付けばオレの足は空を切っていた


それを理解した瞬間、ドンッと重い衝撃が胴体に走り
次の瞬間には地面に倒れていた




「なんでオレが倒れてるんだ？」と理解できずにいると
獲物を捕えた肉食獣を思わせる瞳をしたアイツがいた






『初代黒龍の特攻隊隊長の妹ナメんなよ』

万次郎「は...？なんでオレ...」

『2コ下のガキに負けるワケねェだろ
お兄ちゃんにも鍛えられてるし』

万次郎「ガキじゃねぇし！！」



反論しながら起き上がると＿＿＿

アイツは、からかうような笑みを浮かべて言った





『エマ、取られたかと思った？』

万次郎「は？」


『大丈夫だよ、エマは同性の友達が出来て
舞い上がってるだけだから
ちゃんとエマはマイキーの妹だよ
だからヤキモチ妬くなよ』

万次郎「はあ！？妬いてねぇし！！」



反射的に蹴ると、またヒラリと躱された
アイツは話を続けた




『周りに桜さんだけでしょ？女の人』

万次郎「なんで母ちゃんの名前出てくんだよ」

『周り、男の人ばかりで少し寂しかったんだって』

万次郎「え？」




『女の子同士でしか話せない事とか悩みってあるんだよ
それぐらい許してよ
けど、話聞けるなら少しでも聞いてあげなよ、マイキー』


万次郎「お前に言われなくてもするし！！」






そんな感じでギャアギャア騒いでたら
その声を聞いたじいちゃんが出てきて2人して怒られた






　

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