東卍の白豹

25話:見舞い2 ページ26

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赤音は雪の頭を撫でるのを止めずに言う


赤音「確かに、不良って怖いと思う」

『...そうだよね』


赤音「けど、雪ちゃんは怖くないよ」

『え？』



赤音「だって、雪ちゃんは
私と青宗を助けてくれたんだよ？
こんなに小さい手で、細い体で...

それに、いつもお見舞いに来てくれて
私の話を聞いてくれるし＿＿＿
こうやって頭を撫でると猫みたいにすり寄ってきて
ついつい構いたくなっちゃう


そんな可愛くて、カッコいい雪ちゃんを
怖いとは思わないよ」




周りの大人に褒められ慣れている筈なのに
言われ慣れてない“可愛い”の言葉と安心感に頬を赤らめる




『...ｯ』


赤音「あ、顔真っ赤だネ？」

『こンの魔性...ｯ
赤音さん年下の扱い上手すぎだろ
大人だ...』

赤音「ふふ、そんなことないよ」

『赤音さんに弟子入りする...』

赤音「え？」


『なんでもない...』





雪は、ふいっと顔を背けて言う



『その、火傷の方の治りは...どんな感じ？』

赤音「あともう少しすれば包帯取れるって言われたよ
けど...」


『？』



赤音は顔の右半分を覆うように巻かれた包帯を撫でて
悲しそうな顔をして言う





赤音「跡残っちゃったら...
一くん、私のこと好きじゃなくなっちゃうかな」

『...』


赤音「顔だけじゃないの、腕も足も背中も...
体中火傷だらけの女の子なんて...嫌、だよね...
告白してくれたの、すごく嬉しかったんだけどなぁ...っ」

『赤音さん...』




雪は赤音を安心させるように抱き締める





『ごめん、もう少し早めに助けられたら良かったのに...
自分が言える立場じゃないかもしれないけど
泣かないで＿＿＿

赤音さんの美しさは火傷なんかで損なわれるモノじゃない
誰かが火傷を理由に酷く言うなら私がソイツを殴ってやる
言われた分、綺麗だよって言う
それに、本気で“好き”って言うなら簡単に嫌いになれるワケ
ないンだよ...！』


赤音「雪ちゃん...」




『もし一が赤音さんを見た目でしか好きになってなくて
もう好きじゃないなんて言ったら私が赤音さんの代わりに
殴ってやるから』


赤音「...ふふっ」

『赤音さん？』





あまりにも真剣に殴るなんて言うから笑みが溢れてしまった



赤音「ありがとう、励ましてくれて
けど軽率に殴るなんて言っちゃダメだぞ
女の子なんだから」

『赤音さん...』

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