【ツイステ】咬魚達の恋物語2 (ページ30)

今日:7 hit、昨日:23 hit、合計:2,648 hit

✵ ページ30

✵

アリアはまだ意識がはっきりしてないようだった

そんなアリアを抱き締めて、自分達で囲おうとする2人を
なんとか引き離そうと判断した周りの寮生が
動こうとした時だった＿＿＿＿

周りの寮生達が動き出そうとする前に
急にアリアがハッとした顔をする

『＿＿＿＿＿っ！！』

そして次の瞬間、アリアが動いたかと思えば
目の前で大きな水飛沫が2つ上がった

ほんの僅かな、一瞬の出来事だった

先程まで溺れて意識を失っていたアリアが
ジェイドとフロイドを水槽に投げたのだった

周りも思わず「え！？」と呆然した

付き合いの長いアズールだけが
アリアは見た目の割に腕っ節が強いということを思い出して
少し余裕を取り戻す

皆の目が水飛沫が上がった方に行く

水槽には、何が起こったか理解出来ずに
ハテナマークを浮かべてぽかんとした顔をした
ジェイドとフロイドがいた

そして次にアリアの方に目が集まった

だが、今のアリアの格好があまりにも際どかったので
大半の寮生が反射的に目をそらした

ジェイドとフロイドに制服の前を開けられたせいで
豊満な胸と、その白い肌に、はっきりと赤く残る歯型が
見えてしまい、いけないものを見ている気になってしまった

アリアはそんなことを全然気にせずに
俯いたまま立ち上がる

『ねぇアズール、魔法薬持ってない？』

アズール「持ってますが、目的はなんです？」

『ちょーっとだけ、この馬鹿兄貴達を絞めるだけよ』

アズール「やめなさい」

弱るどころか、喰らいついて反撃しようとする様子を見て
寮生達は「紛うことなき2人の妹だ...」と悟った

多分他の女の子だったら
こんな強かに振る舞うことは出来ないだろう

アリアは不満気にアズールに言う

『だってこの体じゃ兄さん達の半分もないから
絞めようにも絞めれないでしょう
いつもの姿だったら私の方が少し長いのに＿＿＿＿』

アズール「...ええ、アリアの言い分はわかりました
後でちゃんと聞きますので
取り敢えずVIPルームへ行きましょう
温かい飲み物を用意します
冷えたままではいけませんからね
とりあえず乾かしますよ」

『何で？』

アズール「人間は人魚と違って水に濡れて体を冷やすと
風邪を引いたり体調を崩してしまう場合がありますから」

『人間って弱いのね...』

アズールは魔法でアリアを乾かすと
ボロボロやなってしまった制服も瞬きする間に直してくれた