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ジェイド、フロイドside
まるで夢の中に居るような
はっきりしない、感覚と意識の中で
体だけが勝手に動いていた
すると不意に優しい手が頬を掠めた感覚を覚えた
それから優しく抱き寄せられた
この感覚は、よく知っている
アリアだ
そうだ、アリアは今自分たちで囲っている
僕が、オレが守らないといけないから
大事な雌は守らないと、傷付いてしまうから＿＿＿＿
だから＿＿＿＿
海底から水上へ上がるように
意識がどんどんはっきりしてくる中
水槽を叩く鈍い音とアズールの声が聞こえた
アズール「ジェイド！！フロイド！！
このままじゃアリアが死ぬぞっ！！！」
2人「...ｯ！？」
その言葉で一気に意識が覚醒した
そして、大きく目を見開いた
自分達の腕の中で、尾鰭の中でアリアがぐったりしている
途端に全身に寒気が走った
あの時、本能のままに動いて自分達は人魚に戻り
アリアをそのまま水中へ引きずり込んだ光景が
一気に頭の中を駆け巡った
水に入ってどれくらい経った？
息を、していない
死ぬ、死んでしまう＿＿＿＿ｯ！！
自らの手で最愛の人を失う恐怖に駆られながら
直ぐ様水上を目指す
幸い、2人は泳ぎが早かった
水面から顔を出すと、寮生達がタオルや毛布を用意して
助けようとしているのが見えた
フロイド「ごめ...っごめんねアリア...ｯ！！
死なないで！！オレ、謝るからさぁっ！！」
ジェイド「アリアっ、アリア！聞こえますか！？
返事を...っあぁ、ごめんなさい...ｯ
僕らが悪かったですから...っどうか！！」
人魚姿のまま水槽から上がると
すっかり冷え切って、青白くなってしまった顔を見て
2人は涙を流しながら心肺蘇生を繰り返した
周りの寮生達は、こんなにも取り乱している2人を
初めて見て驚きながらも、心配しながら見守る
そしてその後すぐに、アズールと他の寮生も
この水槽のエリアに辿り着いた
アズールは2人に対して怒鳴りたくなるのを堪えて
蘇生が終わった後の行動や必要なものを寮生に指示をして
準備をさせた
そうして暫くすると、アリアが苦しそうに呻きながら
水を吐いた
そしてぼんやりと目を開ける
周りは安心してほっと息を吐いて
ジェイドとフロイドは泣きながらアリアの名を呼んだ
2人「アリアっ！！」
『ごほっっ、げほっ、...ジェ、イド、フロイド...？』
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作者名：来羅 | 作成日時：2022年1月27日 11時
