【ツイステ】咬魚達の恋物語2 (ページ27)

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アリアの側には知らない男が、雄が2匹も居た

それに腹を立てて睨み付ける

するとアリアが此方に気付いて、2人から離れて
此方に向かってきた

だんだん近付いて来て、ある事に気付き
思わず瞳孔が開いた

汚れて、ボロボロになった制服と靴

頭と膝に付着する血

血

血...

愛しい雌が血を流している

それで怒りは頂点に昇った

誰だ、なんで、怪我をしてる、傷付いている

どうして、どうして、どうして、どうして＿＿＿＿っ

そんな考えがグルグルと頭の中で回る

その間にもアリアは目の前に来ていた

アリアの匂いに、血と、他の雄の匂いが混じっていて

鋭い嗅覚がそれを嗅ぎ取った

その瞬間、意識が薄れていき、本能のままに体が動いた

そうして、冒頭に戻る

『フロイド...っ苦、しい...離してｯ』

フロイドは抵抗するアリアを見る

雌を自分の腕や尾鰭で囲い、それを見るのは
雄として最上の喜びだった
けれど、そこから雌が同意なしで逃げようとすれば＿＿＿

雄は雌を逃さないように動くのは明らかだった

フロイドは舌打ちをしながら寮へ続く鏡に入る

その後をジェイドが追うように続く

こうしてる間にもジェイドとフロイドは
人魚としての本能が顕著に現れて
鰭や模様が人魚のソレに変化していった

そうして2人は、水槽がある方へ足を進めた

『(な、に...？ここは...水槽？どうして...)』

アリアは目を動かして見える範囲で場所を確認する

そして、ジェイドとフロイドが人魚に戻りかけているのが
目に入ってしまった

兄2人がしようとしている事がわかってしまった

『嘘でしょうっ！？フロイド！お願いだから離し＿＿＿っ』

アリアの言葉は、バシャンッと大きな水飛沫のせいで
掻き消された

水に入ってすぐに息苦しくなり
口から空気が泡となって消えていく

あぁ、今は人間の体だから水中で呼吸が出来ないのか

不思議と冷静に考えが出て来た

ぼやける視界の中で、ジェイドとフロイドが元の姿になって

体に尾鰭を絡ませて来たのを目と感覚で認識すると

そのまま深く沈んで行った

.

モストロラウンジ内

営業時間を終え、閉店の準備をしていた時だった

3人の帰りを待つついでに
備品の確認をしていたアズールの耳に叫び声が聞こえてきた

ホールの方からだった