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そう言い残して寮から出ていこうとする2人の背中を
見ながら大きなため息をついた
そのジェイドとフロイドを遠目から見ていた寮生や客が
アズールに聞く
「あの、寮長...あの2人どうしたんですか？」
「人殺せるんじゃないかってぐらいの
すげぇオーラ出てたんスけど」
「あの顔、絶対カタギじゃない...」
「止めなくて良かったんですか？」
アズール「今のジェイドとフロイドは
愛しい雌の為に怒り狂うただの雄です
くれぐれも近付かないように
興味本位で近付けば、その首噛み千切られますよ」
「ヒッ...」
「まじかよ...」
話を聞いた寮生達は思わず自分の首を押さえた
そして、周りで話を聞いてた人や人魚は察した
アリア・リーチが関わっていると
この学園でヤクザだとか指定暴力団と名高いオクタヴィネルの
リーチ兄弟
その2人が１人の女性に対して
甘く、優しい声と表情をしていたのを
多くの生徒が目撃していた
それはまさしく恋をしていている顔で
普段の凶悪さからは信じられないぐらい想像がつかなかった
中には、2度見をしたり、あまりの衝撃で壁にぶつかったり
階段から転げ落ちた生徒が居るぐらいだった
人魚の生徒は、雌の為に動く雄の事をよく理解していた
番にする雌を取り合って雄同士で殺し合いをするぐらいに
人魚の雄の行動力はすごい
だから何も言えなかった
そして、アズールが2人を止めないのにも納得していた
下手に手を出せば此方が殺されるのだ
アズールは、良い結果になるようにと心の中で願った
アズール(なるべく穏便に済むといいのですが...
僕もアリアが退学になるのは望んでませんからね)
.
そうして、ジェイドとフロイドは真っ直ぐ学園長室へ向かった
だがそこには誰も居なかった
学園中を片っ端から探すが
アリアも学園長も見つからなかった
学園長の場合、上手いように避けていたのだろう
探していて、アリアの気配が何処にもない事に焦った
そうしてアリアに会いたいという気持ちが大きくなり
結果的に寮に続く鏡の前で待つことにした
此処で待っていれば帰ってくるだろうと信じて
まるで、巣で雌の帰りを待つ健気な雄のように
そうして軽く1時間が経った頃
やっとアリアが姿を現した
それに反応して顔を上げるが
そこでジェイドとフロイドの機嫌が治ることはなかった
寧ろ悪化した
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作者名：来羅 | 作成日時：2022年1月27日 11時
