【ツイステ】咬魚達の恋物語2 (ページ15)

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回避する暇も逃亡の暇も一切与えず

絶え間なく、それぞれが魔法を怪物に向けて放つ

ユウは目の前で放たれる魔法に思わず目を奪われ
釘付けになった

暫くそれを繰り返していると

顔のない怪物の頭がバリンっと割れ、黒いインクが飛び散った

そうして、ピクリとも動かなくなくなって

どんどん姿が消えていく

デュース「はあ...はあ...っ！」

エース「や...った？」

グリム「か、勝った...オレ様達が買ったんだゾ！」

『終わっ、た...』

デュース「よっしゃあ！」

エース「やったあ！」

やっと終わった...

音が聞こえるぐらい心臓は煩く、早いが
それが生きていると身に沁みて感じた
思わず安心してふぅ、と息を吐いて肩の力を抜いた

久々に本気で逃げ回り、戦った

グリム「勝利のハイタッチなんだゾ〜！」

3人「イエーッ！」

今までの仲が悪そうなムードが全然なくなって

アリアとユウが顔を見合わせると同時に笑いを溢した

『みんなすっかり仲良しね』

ユウ「雨降って地固まるってやつかな」

デュース「...あっ、ち、違う
別にこれは、そういうんじゃない！」

エース「そ、そーそー！変なこといわないでくんない？」

グリム「オ、オレ様が大天才だから勝てたんだゾ！
力を合わせたから勝てたわけじゃねーんだゾ！」

エース「...って、言い訳すんのもダサいか
悔しいけどお前の作戦勝ち、かな」

『(言い訳がダサいって...この短時間で変わったわね)』

ユウ「えっ？」

アリアは慈しむような優しい目をして微笑んで
ユウは思わず声を上げてエース達を見る

デュース「...ああ、お前が落ち着いて指示を
出してくれたからこうして魔法石を手に入れられた
これで退学させられずに済む
...本当に良かった」

ユウ「みんなが協力してくれたお陰だよ
無事で、良かった」

エース「はいはい、よかったよかったー
マジ、クッタクタのボロッボロ、早く帰ろうぜ」

『お疲れ様、頑張ったね』

ユウ(飴と鞭の使い分けがすごいなぁ
これは堕ちるわ)

アリアはエースとデュースの真正面に立つと
今度はビンタではなく、優しく頭を撫でた

エース/デュース「え"っ！？！？」

『力を合わせるとかダセェって変にカッコつけてた時より
さっきの方がずっとカッコよかったよ、自慢していい』

女の子に頭を撫でられ、ボンッと勢いよく顔を赤くした所に
追い打ちでそんな事を言われる