東卍の白豹Part2

84話:赤に染まる ページ39

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中の異変に気付いた一虎が戻って来て
真一郎にワイヤーカッターを振り下ろそうとした


雪と場地がソレに同時に気付いて声を上げた




場地「やめろ一虎あぁ！！！」

『真一郎君っ！！！』





真一郎が振り返るよりも先に雪が動いた

雪は咄嗟に真一郎を押して攻撃の軌道から外す



一虎は、真一郎の体で隠れて見えなかった“白”が...
自分の片割れがいきなり目の前に現れて瞠目した

何とか攻撃を反らそうとするが
勢いに乗りきったワイヤーカッターは
軌道がブレただけで止まることなく＿＿＿＿






ゴンッ＿＿＿＿



雪の頭に容赦なく当たった
鈍い、嫌な音が響いて何かが倒れた音がした

その倒れた音は雪から発せられたもので＿＿＿






皆、倒れた雪を見て呆然とした


見慣れた白が...細い四肢が力なく、ダランと
床に転がっていて＿＿＿

ソレがどんどん赤く染まっていくのが見えた





真一郎「雪っ！！オイ！！返事しろっ！！
(どうするっ！？応急処置しても頭なんてやられたら
すぐ病院に連れてかなきゃ死ぬ...！！
けどやれる事しねぇと！！
圧迫止血して少しでも血を止めねぇと！！)

ケースケ！！すぐそこの棚にウエス入ってっから
あるだけ持って来い！！それから救急車呼べ！！！」


場地「わ、わかった...！！」





場地は涙を浮かべながら真一郎の言う通りにする


対して一虎は、呆然としながらワイヤーカッターを床に落とす
そしてブツブツと何かを呟き出した




一虎「オレが...ｯオレが雪を？
片割れ、なのにっオレが雪を殺すなんてありえねぇ！！
オレは、殺してねぇ...！！
そうだ...全部、全部マイキーの、せいだ！！」

真一郎「！！」



その言葉に真一郎は一虎を見る
その瞬間、一虎の周りを黒いモヤの様な“何か”が
取り巻いているのが見えた

ソレは数年前、マイキーが春千夜の口を裂いた時に見た
黒いモヤと同じモノで＿＿＿＿






呆然としていると、雪が起き上がりフラッと立ち上がった

雪は感じたことのない、とてつもない痛みに
意識が朦朧として、倒れそうになりながらも一虎に近付く




『かず、とら...大丈夫、だよ
ぶつかっちゃっただけ、だから、ね...？
一虎、はなに、も...悪く、ないよ』

一虎「雪っ？オレ、オレは...！！」



『け、ど...もう、こんなこと...しちゃ、ダメだよ？
約束、だからね？』





余程余裕がないのか、素の口調で話す雪

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