１１３ side 影山 ページ18
.
まあ中学の頃から人気だったAさんが高校で人気じゃない訳がなくて、案の定Aさんを狙ってる奴とかそういう目的の奴だって沢山いた。
Aさんは烏野でマネージャーをやっていなくて、学年も違うから校舎内で頻繁に会うこともないし常に嫉妬で狂いそうだったけど、それでも他の奴らより確実に俺を特別扱いしてくれるのが何よりも嬉しかった。
Aさんには" 好き "とかそういう気持ち一切無いことくらい分かってるけど、傍に居られるならまあ悪くねーかなって思ってた。
だけどまた、Aさんは呆気なく烏野を卒業して行った。
中学から重いくらいの恋心を寄せていた俺はAさんが卒業する時思い切って想いを伝えようとしたけど、及川さんとの電話をたまたま聞いてしまった俺の初恋が実ることは無かった。
彼女は高校を卒業後、単身でヨーロッパに飛び立ち今では声を聞くことすら疎か、連絡でさえ容易に取れなくなってしまった。
まああの人は昔から気まぐれで、気が付くとすぐフラフラ〜っとどこかへ居なくなってしまうような人だったから、俺は一人会えない寂しさやもどかしさ故、中学の頃のようにただひたすらバレーに明け暮れた。
あの頃とは違って、俺にも高みを目指せる仲間が出来た。
でもやっぱりたまにふと、彼女は今どこで何をしているんだろう、という気持ちになる時がある訳で。
どんなにバレーに没頭していてもAさんのことが頭から離れなくて、無性に会いたくなって。
そして俺は今、Vリーグでバレーを続けている。
大学からも引く手数多だったが、少しでも早くAさんに見つけてもらいたくて、Vリーグ入りした。
だから、日向から突然送られてきたツーショットを見て一瞬時が止まったような気がした。
この数年俺がずっと会いたくて、声を聞きたくてたまらなかったAさんがそこにいたから。
それと同時にふつふつと湧き上がる嫉妬心。
どうして日向といるのか。
日向の隣で、日向に、そんな楽しそうな顔を見せないでほしい。
俺だけに見せてほしい。
今度こそずっと俺の傍に居てほしい。
そんな感情が心に渦を巻いて、無意識のうちに送り主である日向との通話ボタンを押していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 260人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
A・O・I(プロフ) - ぽんこつさん» コメントありがとうございます！煮詰まってあまり更新できていませんが頑張ります(T_T) (2022年2月3日 20時) (
レス) id: 411bf3a426 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつ(プロフ) - 凄くいい作品んです!続き頑張ってください! (2022年2月3日 17時) (レス) id: b62fb1fea3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：A・O・I | 作成日時：2021年5月17日 11時
