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『てか治くん本当にごめんね、こんなに大人数で来ちゃって…』
治「気にせんでええよ。いつものことやし、日曜のこんな時間に来るんツムくらいしか居らんから」
『それでもやっぱりなんか申し訳ないな…』
治「ええてええてほんま。…せやな、じゃあA、俺の彼女になるん真剣に考えてくれん?」
治くんのそんな爆弾発言に私は食べていたおにぎりを喉に詰まらせ、隣の佐久早くんは飲んでいたお冷を盛大に吹き出した。
治「…臣くん大丈夫かいな」
『ゴホッゴホッ…治くん冗談は…』
治「いや冗談やないて。高校ん時から言うとるやろ。俺はいつでも真剣やし、あん頃からずっと気持ち変わってへんよ?」
真剣な顔で私の顔を覗き込んでくる治くんにタジタジになっていると、今度は逆隣で盛り上がっていた侑くんがお酒の瓶を倒した。
治「ツムお前ええ加減にせえや」
侑「えぇ〜ええやんか〜」
治「俺介抱せんからな、知らんで」
侑「ええもん〜Aが介抱してくれんねん〜」
なぁA〜、とぽやぽやした顔で私の方にもたれかかってきた侑くんを何とか支える。重い…
そのまま私の膝に倒れて眠ってしまった侑くんを、これでもかと殴った治くんが乱暴に座敷に連れて行った。「…さっきの、考えといてな」なんて言いながら。
…そういえば木兎さんと侑くんがうるさすぎて忘れてたけど日向とシオンさん大丈夫かな…なんてそっちに目線を送ると一人騒ぐ木兎さんを適当に遇いながら日向の話に耳を傾けるシオンさん。
日向は喋りながらもおにぎりにがっついていた。
…君はほんとによく食べるね…
私も追加でもらったおかかのおにぎりを頬張ると、隣から「なあ」と声を掛けられた。
『…?』
佐「…お前って俺の事嫌いなの?」
『え?』
思ってもみなかった言葉を投げかけられて食べてたおにぎり落としそうになった。
佐「避けてるだろ」
『いや待って、私の方が嫌われてると思ってたんだけど…』
佐「は?俺嫌ってないけど」
『え?!あっ…そっか』
佐「じゃあ別に俺の事嫌いって訳じゃねぇの?」
『うん!全然そんなことないよ!』
佐「あっそ」
そうぶっきらぼうに言い放ってお冷に口をつけた彼の横顔はどこか嬉しそうだった。
きっと彼なりに色々考えてたのかな。苦手だなんて思ってごめんなさい。
『…ありがとう佐久早くん』
佐「ん」
きっと彼も不器用なんだろうなぁ。
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A・O・I(プロフ) - ぽんこつさん» コメントありがとうございます!煮詰まってあまり更新できていませんが頑張ります(T_T) (2022年2月3日 20時) (レス) id: 411bf3a426 (このIDを非表示/違反報告)
ぽんこつ(プロフ) - 凄くいい作品んです!続き頑張ってください! (2022年2月3日 17時) (レス) id: b62fb1fea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A・O・I | 作成日時:2021年5月17日 11時