月が綺麗ですね【中原中也短編集】

弟の好敵手＊なつき様リク ページ3

弟には、好敵手(ライバル)がいる。


太「あんれぇ〜、あんなのも届かないのぉ〜？」

中「うっせェ！今のはミスだミス！」


＿＿＿小さくて


太「ほら矢張り届かないじゃない。中也のチービチービ」

中「ンだとこの女の敵ィ！」


＿＿＿喧嘩っ早くて



太「その恥ずかしい帽子の所為で身長伸びないんじゃない？」

中「手前ェなんざに指摘される筋合いはねェ」



＿＿＿帽子が似合う



太「つべこべ云うなら私が…」

中「やめろ！俺には重力操作があるんだ！」



＿＿＿イケメンです。



中「ほらよ、A」

貴「ありがとう中也！」

太「ここで重力操作は反則では…？」


私達は今、三人でバドミントンをしている。
言い出しっぺは勿論私。
何故この仲悪い２人を誘ったのかというと、中也を誘うには治を使わないといけなかったから。あと、単に面白いから。(


冒頭の言い合いは、始まって数十分経った時のこと…

グーとパーでチーム分けをした結果、
中也 vs 治＆私
になった。

喧嘩をしながらもネットを張り、ゲームを始める。

そして気づいた。


貴(中也、治には容赦無いけど私には優しく打ってくれてる…)


嬉しかった。
そりゃあ、治に日頃の恨みを込めているだけなのだろうが、嬉しかった。

私も、できるだけ中也が打ちやすいようにと優しく打ち返す。

それを横目で見ていた治が小声で囁いた。


太「姉さん、先刻から中也ばっかり見てるけど、真逆中也の事が好きなの？」

貴「なっ……？！」


不意に図星を言い当てられて、ふわりと返ってきた羽を突拍子のない方向に飛ばしてしまった。
羽を追いかけたが、不運なことに地味に高い窓枠に引っかかってしまったのだ。

そこでやっと冒頭に至る。
弟の好敵手は今日もイケメンです。


太「先刻から思ってたんだけどさ、中也」

中「んあ？」

太「なんで姉さんにはあんなに優しく返すの？」

中「は、はァ？！」


ですよね、無意識ですよね、そんな私を思ってなんかじゃないですよね、わかります。
なんて自虐を心の中で呟き乍ら中也の顔を見ると


貴「中也…顔真っ赤…」

中「う、うるせェ！こ、これは…！」


まるで林檎である。
治は全て判りきっているかのように微笑む。

………え？これって…


中「だぁあ！もういい！さっさと先刻の続きすンぞ！！」

貴「うん…！」

太「(なんて判りやすい２人…)」


＊＊＊


なつき様リクでした！
リクエストありがとうございましたー！

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