letter 2

Epilogue ページ9

nb side










dt『しょーたっ！あそぼ！！』


dt『しょーたぁ？早く帰ろうよ』


dt『…ったく、いい加減自分で起きなよ、翔太』


dt『翔太、また教科書忘れたの？仕方ないな』







彼の呼ぶ、俺の名前が好きだった。

幼稚園の制服を一緒に泥だらけにして、小学校の帰りに一緒に寄り道して、中学では寝坊に涼太を巻き込んで、高校ではわざと忘れ物をして彼に借りた。

いつだって俺の記憶には涼太がいる。
俺の名前を呼んでくれる涼太がいる。





離れた時間は随分長かったけど、それもご愛嬌。

あの10年がなければ今の関係もないわけで。








dt「翔太」

nb「ん、涼太」



似ても似つかぬ俺たちだけど、

涼太とならきっと、俺は何にだってなれる。









_______あなただけに贈る、俺の初恋。









_______





dt side








nb「…大好き」

dt「俺は愛してるよ」





これからのことなんて断言できない。

だけど、とりあえず今は、一緒にいてみようか。











たくさん傷ついて、傷つけて。

遠回りした分、俺は精一杯愛を伝えると誓うから。







これは君に宛てた、最初のラブレター。






nb「…ふふっ、りょーた」

dt「ん？あ、ちょっとしょーた？」





だからどうか、何度でもその愛しい声で、俺の名前を呼んで。


すぐに君の元へと駆けつけるから。









______愛してるよ、翔太。

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