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ab side
fk『あべー』
ふっかは俺の前によく現れるようになった。
その姿は、まるで親鳥を見つけた雛のようで。
学校にいてもサボってばかりだった彼が、時々授業に出席するようになった。
fk『どこ行くの』
『理科室。次実験だよ』
fk『えー、めんどくさ』
『ふっかも行こうよ。今日の実験楽しいよ？』
俺は彼に授業に出ろとは一度も言ったことがなくて。
ただたまに、移動教室や体育の時にだけ誘ってみるだけ。
彼もそんな距離感を気に入っているように見えた。
理科の実験で電流が流れたところをキラキラした目で見つめる彼の顔をよく覚えている。
fk『阿部は高校どこ行くの』
『ん？あー、ここ』
蝉の声がうるさく聞こえる屋上で、つまらなそうに俺の隣を寝そべる彼に見えるようにスマホの画面を向ける。
ふっかとはきっと来年からは一緒にいられないだろうな、なんて思いながら、手元の本に視線を戻した。
fk『……俺もここ行く』
『…は！？』
fk『阿部と同じところ受ける。な、勉強教えて』
ガバリと起き上がった深澤はまっすぐと俺を見つめていて。
流石に無理だろうと思った。
この話を聞いた担任は開いた口が塞がらず、出回ったこの噂を耳にした生徒たちは口々に無理だと言った。
だって、この学校は都内でも有名な進学校だったから。
いつになくやる気の彼に圧倒されて勉強を教えることになった。
俺はもう合格圏内だったけど、2年からまともに授業を受けていなかった彼の成績は悲惨で。
それでも寝ずに授業を受けるようになった彼を、周囲と関わり出した彼をなんだかほっとけなかった。
元々頭の良かったらしい彼の成長具合は半端なくて。
私立受験の頃にはA判定を取れるほどまでになっていた。
本当は都立の学校を親に薦められていたらしい。
それも、お金持ちが集まると有名な学校で。
彼の親は噂によれば厳しいらしく。
私立を第一志望にすることで何度か揉め、頬を腫らして学校に来ていたこともあった。
何度交渉しても親の意思は変わらなかったようで。
私立の合格通知を受け取り、嬉しそうに報告された後、彼は都立の高校を受験しに行っていた。
ただ、彼は。
当時から親の言う通りになることをひどく嫌っていて。
本来であれば合格圏内だったはずなのに、結果は不合格。
都立入試の解答用紙を、白紙で出したのだと卒業式の日に告げられた。
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鯱(プロフ) - わたたいさん» すみません、こちらの物語の設定での病のお話はお受けできないです。せっかくコメントしていただいたのにお答えできず、申し訳ないです。 (11月9日 18時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» 病でも大丈夫ですか？ (11月8日 22時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - わたたいさん» こんばんは。読んでいただきありがとうございます！先にリクエストの内容を教えていただいてもよろしいですか？内容によってはお答えできないかもしれません。返信お待ちしております。 (11月8日 22時) (レス) @page17 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月7日 23時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - 空白さん» ありがとうございました！！ゆっくりにはなりますが書いていきますのでよろしくお願いします！！ (9月27日 23時) (レス) @page10 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年8月10日 13時
