. ページ20
kj side
「はぁ、」
dt「幸せ逃げるよ」
コン、と置かれた缶コーヒー。
お昼を過ぎた社員食堂には人がちらほらいる程度だ。
dt「資料ありがと」
「いえいえ！ダテさんにはお世話になりましたし」
dt「ほんと、康二って引き抜きたいくらい仕事できるよね」
「んふ、ありがとうございます。広報の仕事も好きなんです。色んな人に広める仕事じゃないですか」
dt「そっか」
「もちろん困ったら声かけてくださいね！ダテさんの手伝いならいくらでも！」
dt「困ったら言いなよ、あの頃とはもう違うと思うけど」
ダテさんは俺の頭をグシャリと撫でて食堂を出て行った。
相変わらずの紳士ぶりに、乱れた髪を直しながら背中を見送った。
mm「康二くん」
「おわ、お疲れ様」
mm「うん。ね、今日も行っていい？」
「ええけど、帰らんでええの？」
mm「いーの！康二くんのご飯食べたい」
いつの間にか背後にいためめはふにゃりと笑う。
それが嬉しくて、俺も笑った。
mm「宮舘さんと知り合いだったんだね」
「え？」
mm「宮舘さんだよね？さっき話してたの」
「あ、おん。関西おった時、お世話になったんよ」
mm「ふうん。翔太くんの恋人さんだよね」
「そうそう。幼馴染なんやっけ？」
ご飯を食べ終えて、ソファでくつろいでるめめの隣に座る。
そっと距離を詰めてきためめはそのまま俺の頭に手を乗せた。
mm「…頭撫でられてた」
「え？？」
mm「だめ、そんなに簡単に許しちゃ」
「め、めめ？？」
mm「…いつになったら蓮って呼んでくれるの？」
どくん、と心臓が音を立てて、喉の奥が苦しくなる。
…なん、これ。
好き、って気持ちが溢れそう。
「…れんくん、」
苦しい。
好きすぎて苦しい。
もしかして嫉妬してくれたん？
あんなに、嫉妬しない、って言ってたのに。
ちょっと寂しそうな彼が愛おしすぎて、ぎゅっと抱きついた。
mm「康二、やめて。めちゃくちゃにしたくなる」
「……蓮くんならええもん」
mm「大事にしたいの。本気だから、康二のこと。ゆっくりひとつひとつ大事にしたいの」
ほんま、こーゆーとこ。
この男はどんどん俺を沼にハマらせて、抜け出せなくなる。
男同士に将来があるのかわからないけど、ただ今は彼の腕の中で笑っていたい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 760人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鯱(プロフ) - わたたいさん» すみません、こちらの物語の設定での病のお話はお受けできないです。せっかくコメントしていただいたのにお答えできず、申し訳ないです。 (11月9日 18時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» 病でも大丈夫ですか？ (11月8日 22時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - わたたいさん» こんばんは。読んでいただきありがとうございます！先にリクエストの内容を教えていただいてもよろしいですか？内容によってはお答えできないかもしれません。返信お待ちしております。 (11月8日 22時) (レス) @page17 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月7日 23時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - 空白さん» ありがとうございました！！ゆっくりにはなりますが書いていきますのでよろしくお願いします！！ (9月27日 23時) (レス) @page10 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鯱 | 作成日時：2023年8月10日 13時
