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ab side
「佐久間！！」
10数メートル先を走る彼の名前を叫んだ。
それでも止まってはくれなくて。
足の速さでは佐久間に負けない自信があったけど、先に体力が切れて。
ちょうど来た電車に飛び乗った佐久間に追いつかず、目の前で電車が走り出した。
ab『また行くから、逃げないで。ちゃんと話したい』
諦めてLINEにそう打ち込んで、送った。
既読はつかないだろうし、もしかしたらもう消されてるかもしれないけど、それでも。
佐久間を諦めるだなんて選択、どうしてもできなくて。
乱れた息を整えながら、自分の家に戻った。
次の日は時間を見つけては佐久間の会社の前で待ち伏せをした。
出勤時、昼休憩、退勤時。
朝は会えなかったけど、お昼は佐久間がたまたま出てきて、驚いたように慌てて戻って行った。定時で上がってそのまま佐久間の職場の前で彼が出てくるのを待った。
sk「…あべちゃん、」
「お疲れ、佐久間」
sk「なんでいるの、」
「佐久間が連絡くれないからでしょ？目があった途端逃げるし、怪しさ満載。家に行っても引き払ってるし。翔太みたいにいなくなるなんて許さないよ、俺」
sk「……もう、」
はぁ、と小さくため息をついた。
逃げる様子はなく、ゆっくりと歩き出した彼についていけば、少しだけ遠い場所にある新居に入れてくれた。
sk「…あべちゃんはさ、」
「うん」
sk「翔太がいなくなった理由、ちゃんとわかってる、？」
冷蔵庫から水を出した佐久間が振り返ることなく言う。
やっぱり翔太が絡んでるのか、と小さくため息をつく。
「…だてさん、でしょ」
sk「……そうだけど、それだけじゃないんだよ」
「佐久間は知ってるの？」
sk「………おれも、同じだから」
sk「翔太の気持ち、今更だけどすごくわかる。痛いくらいわかる」
困ったように笑うその顔が、どんな意味を含んでるのかわからなかった。
でも確実に、佐久間が俺たちから離れた理由は、
「…恋してるんだね、佐久間」
俺らの中の、誰かに好意を抱いているからだ。
sk「恋なんて、きれいなものじゃないよ。翔太だけなんだぁ、俺の気持ち、否定も同情もしないで聞いてくれるの」
佐久間の恋が綺麗じゃないなら、俺の恋はもっと綺麗じゃない。
佐久間が誰かに抱くその感情が、うまく行かなければいいのにと思ってしまうから。
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鯱(プロフ) - わたたいさん» すみません、こちらの物語の設定での病のお話はお受けできないです。せっかくコメントしていただいたのにお答えできず、申し訳ないです。 (11月9日 18時) (
レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» 病でも大丈夫ですか？ (11月8日 22時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - わたたいさん» こんばんは。読んでいただきありがとうございます！先にリクエストの内容を教えていただいてもよろしいですか？内容によってはお答えできないかもしれません。返信お待ちしております。 (11月8日 22時) (レス) @page17 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
わたたい(プロフ) - 鯱さん» こんばんは!リクエスト大丈夫ですか？ (11月7日 23時) (レス) id: 1f79981bd4 (このIDを非表示/違反報告)
鯱(プロフ) - 空白さん» ありがとうございました！！ゆっくりにはなりますが書いていきますのでよろしくお願いします！！ (9月27日 23時) (レス) @page10 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年8月10日 13時
