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iw side
「そうそう。あ、でも俺的にここ佐久間に焦点当てたいんだよね。だからちょっと控えめに」
mm「なるほど」
「で、その後センターに注目させて、サビ後半で両サイドからって感じ」
みんながいる場では自分の理想を話せるけど、動画を送るだけの目黒にはどうしても考えが伝わりにくくて。
一対一で話せるこの空間に意識が持っていかれた分、目黒をセーブさせることがすっかり抜け落ちていた。
iw「来週また振り入れあるから今日は終わり。また練り直すつもりだし」
mm「そっか。あざした」
iw「車だし送ってく。シャワー行こ」
mm「え、悪いからいいよ」
iw「気にすんな。どうせふっか拾ってくから。後ろで寝てろ。その隈、どうにかしたほうがいいよ」
mm「…あー、はは、バレてました？」
へにゃり、と下手くそに笑う。
いつも康二やラウールのことちゃんと見て、口うるさく“ちゃんと寝ろ！”って言うくせに、自分のことになると管理できなくなるんだから。
だからみんなでお前を見守ってるのに、会えなかったら意味がない。
iw「…寝れねーの」
mm「そんな深刻なことじゃないよ。夜になると不安になって、台本読み込んだり振りの確認しちゃうだけ。で、気づいたら朝、みたいな」
iw「深刻だろ、だいぶ」
何に悩んでるかは知らないけど、誰がいつ見たって完璧で、ストイックで、でもどこか抜けてるお前はちゃんと仕事できてる。
それにちゃんと自分で気づけてる？
iw「自分追い込みすぎ。たまには褒めないと」
mm「…そうかな」
iw「ん。お前がSnowManのために頑張ってくれてるのちゃんと知ってる。けど無理して倒れるくらいなら、休んだっていいんだよ」
体が資本、そう口うるさく言ってきただろ。
悔しそうに顔を歪めて、俺より少し高い位置にある頭が俺の肩に乗っかった。
…こいつ、普段はラウールと康二の世話係みたいになってたけど、ちゃんと弟なんだよなぁ。
iw「お前は頑張ってる。でも突っ走りすぎて、俺らを置いてくなよ」
見えなくなる位置まで走っていかないで。
ちょっと先で待っててくれるならそれでもいいけど、先に行き過ぎたら俺らがお前を見失って迷子になっちゃうだろ。
iw「たまには俺らと休憩しよーぜ」
mm「…ふは、したい、かも」
ぐしゃりと頭を撫でる。
ちょっとだけ休もう。
“SnowManの目黒蓮”じゃなくて、“1人の人間”として。
また歩き出せるようになったら、一歩ずつ始めてみればいいよ。
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年8月9日 15時
