弱さも強さも、全部貴方だから iwmm ページ11
＊恋愛要素薄め
iw side
iw「…目黒？」
たまたま通りかかった事務所のレッスン室。
いつもの広いところじゃなくて、狭い空間で1人汗を流していたのは最近メンバー内でも会う頻度がめっきり減った目黒だった。
こちらに背を向けて激しいダンスを踊り続ける目黒。いつも以上に汗を流していて、声だけでもかけようと扉に手をかけた。
iw「目黒、お疲れ」
mm「…うわ、びっくりしたぁ。お疲れ」
iw「何してんの？」
mm「こないだ参加できなかったんで、自主練的な」
iw「ふーん。この後仕事は？」
mm「えーっと、あと1時間くらいやって、その後雑誌っす」
iw「相変わらず忙しそうだな。俺も今空きだし、あれだったら自主練付き合うけど」
mm「え、いいの？聞きたいとこあったんだよね」
随分と伸ばされた髪。
ノーセット故、目黒の顔を隠すからうまく表情は読み取れない。
…けど、確実に無理してる。
iw「ん、まず水飲んで」
mm「うす。岩本くん次何時？」
iw「2時間後くらいに現場入り。ここのシャワー浴びてから行くよ」
mm「まじっすか。俺もおんなじくらい」
iw「そっか。飯食えてる？痩せたな」
mm「んー、すぐ体重落ちるから気がついた時に食べてはいるけど、やっぱりどうしても、ね」
iw「体調第一だからな」
mm「わかってます」
ふにゃりと笑う。
目黒はストイックだから、一つのことに集中すると周りのことが後回しになりがちで。
自分のことすら二の次だから誰かが先回りして止めてやらなきゃならない。
いつもだったら、さりげなく翔太やだてさん、ラウールがセーブさせて、康二が気を紛らわせながら飯食わせて。佐久間や阿部が仕事からやんわり遠ざけるように気分転換させるようになってるけど、みんなで集まれない以上、目黒は自分を無意識に追い込んでしまう。
俺とふっかはそうやってサイクルされてるのわかってるから割と放置というか、みんながいるから大丈夫だと見込んであえて何も言わない。
人の仕事に口出しするようなタイプじゃないし、さりげなーくマネージャーに目黒の休みがちゃんとあるか確認するだけ。なかったら意地でも丸一日休ませるよう仕事を調節してもらうだけ。
今この場に俺しかいない以上、彼をやんわりセーブさせる術なんて知らないから止めることはできない。
どうするかなぁ、なんて考えながら真剣にダンスに向き合う彼の背中を見つめた。
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年8月9日 15時
