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fk side



辰「…わかりますよ、俺。宮舘さんがどう思ってるのか全部。
…俺も、おんなじですから」


ゆっくりと向いた視線。表情があまり変わらない宮舘さんだけど、ゆらゆらと揺れる瞳が宮舘さんの気持ちを表していた。




辰「…翔太くん、蓮がうまくいかないことがあった時、いつも言ってるんですって。
…“できないときは、はんぶんこ”なんだよって」




辰“翔太くん、いつも蓮と遊んでくれてありがとうね”
翔“んぅ?おれも蓮と遊ぶのすきだよ!”
辰“ふはっ、そっか”
翔“ねぇ、蓮パパ”
辰“ん?”
翔“おれね、1人じゃ何もできないの。ほんとはサッカーにがてだし、おえかきもじょーずじゃない。でもね?”

ちょいちょい、と手招きをして俺を屈ませて、内緒話でもするかのように小さな声で、俺に言った。


翔 “パパとのお約束。できないときははんぶんこ。そしたらきっとにがてもすきになれるでしょ?”





魔法の言葉、知ってるよ。
キライはスキにはなかなかなれないけど、ニガテはいつかスキに変われるんだよ。


いつだったか蓮が言っていた言葉。きっと翔太くんと居たから紡ぎ出された言葉。
蓮と翔太くんの出会いって、かなり貴重なものだったんだと実感した。







涼「…そっか、」
辰「翔太くんは、宮舘さんと一緒にいられたらそれでいいんじゃないですかね。俺だって不安になるし、1人で頑張ってる感?感じちゃうし」



人間みんなひとりぼっち。
だけど、1人と1人が出会えば2人になれる。


辰「…宮舘さんも、俺も。1人のようで1人じゃないんですよ。俺には宮舘さんっていう俺の気持ちをわかってくれる人がいて、宮舘さんには俺っていう味方がいます。…頼りないですけど」



いつしか大人になって、全ての責任を負うのが当たり前になって。誰かと分け合うなんてできなくなって。

子どもの頃は当たり前のようにそれを教えられたはずなのに。



はんぶんこ。
子どもの魔法の言葉。
だけどそれは大人の俺にとっても魔法の言葉。


1人で全部背負わなくていいって、1人じゃないよって、多分翔太くんや蓮が教えてくれてるんだよね。

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(プロフ) - Lateさん» ありがとうございます!! (6月18日 15時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
Late(プロフ) - 秋の残香めっちゃよかったです!!書いていただきありがとうございます!これからも応援しています頑張ってください! (6月18日 8時) (レス) id: 40f15e1de2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Lateさん» コメントありがとうございます!書きたい欲が出てきたので挑戦してみます!笑 少々お待ちください!! (6月15日 0時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
Late(プロフ) - コメント失礼します!ずっといわふかの『金木犀』を永遠リピしているのですが、岩本sideも見てみたいなと思いコメント書かせていただきましたー!今後の物語も楽しみにしていますこれからも頑張ってください! (6月13日 11時) (レス) id: 40f15e1de2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Lateさん» ありがとうございました!また思いついたら続きを書くかもしれません笑 その時は是非お付き合いください! (5月20日 23時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年4月19日 16時

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