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翔太side
どうしても、約束を破りたくない。
そう言いながら泣く佐久間は、すごく小さくて。
ずっとずっと家族と居られなかった運動会。佐久間にとっては今日がどれだけ楽しみだったのかが、伝わってきていたからこそ、強くわがままを拒否することができなかった。
康「大ちゃん！！」
どうしようかとこの場にいる全員が思った時、バタバタと駆け寄ってくる小学生組と涼太。出番が終わった康二は息が切れている。
康「大ちゃん、顔真っ赤やで、？」
大「こーじくん、ごめんね、徒競走、見れなかった」
康「ええの！！涼太くん動画撮ってくれてたし、お家で一緒に見よ？それも楽しいやんか」
真「大ちゃん、痛い？」
大「…んーん、痛くない。真都の出番はいつ？」
「おい、」
涼「これの2つ後かな。大介見るでしょ？真都の玉入れ」
大「ん、見る」
亮「大ちゃん、流石に無理だって」
照「もう帰ろう。ちゃんと動画撮っとく。家で大人しくしてた方がいい」
大「やだ！！俺帰らないもん！もう仲間外れは嫌！」
突然大きな声を出した大介。いつの間にか涙は止まっていたようで、力強い目で俺たちを見ていた。
運動会は必ずと言っていいほど体調を途中で崩して、保健室で過ごしていたらしい佐久間。自分が出るわけではない運動会でも、今年こそは最後までいたいと、そう思っているのかもしれない。
涼「…俺は居てもいいと思うけど」
「は？」
涼「その代わり、保健室、入ってもいいらしいから、それまでは室内にいるって約束できる？真都の玉入れと、蓮のリレー以外は、絶対に」
大「できる。約束する」
涼「ん、事情説明して特別に許可もらったから。窓にも近づいちゃダメだよ」
大「わかった。だからお願い、ここに居させて」
頭をぐっと下げた大介の強い意志に、結局みんな折れるしかなくて。誰かしらが大介のそばに付いてることを条件に、渋々父さんは首を縦に振った。
蓮「…大ちゃん、俺、一位絶対取るから。大ちゃん喜ばせるから。俺が大ちゃんに元気分けてあげる」
大「……んふ、蓮くん、ありがとう」
蓮「だから絶対無理しないで。俺やだよ、大ちゃんが無理して苦しむの。リレー見るって約束を破られるより、ずっと嫌」
大「…ん、わかった」
ゆびきりげんまん、子どもらしい約束の歌を歌いながら真剣な顔をした蓮は、小学生とは思えないほど大人だった。
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鯱(プロフ) - ぴぃさん» ありがとうございます…！！めちゃめちゃ嬉しいです！ゆっくり更新ですがこれからもよろしくお願いします！ (9月7日 16時) (
レス) @page47 id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
ぴぃ - 初めてコメント失礼致します。主様の作品全部好きでいつも見てますが、特にこの作品が好きです。家族のお話って年齢設定だったり関係性を書くのがとても大変だと思いますがいつも温かい家庭を見せてくださりありがとうございます。これからものんびり書いてくださいね。 (8月28日 17時) (レス) id: 25bcef5482 (このIDを非表示/違反報告)
ay(プロフ) - naruyuki0501さん» ありがとうございます。自分なりに何度も何度も書き直しながら書いてるのでゆっくり更新ですが、これからもよろしくお願いします！ (2023年3月14日 18時) (レス) id: 621b904b7b (このIDを非表示/違反報告)
naruyuki0501(プロフ) - いつも、少しずつみてます。自分も色々悩んでるので読んでで支えになります。救われてます。体調に気を付けて、更新していってください。 (2023年3月14日 15時) (レス) @page16 id: ddb2e6c93f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鯱 | 作成日時：2023年2月28日 8時
